スマホ向けに512GBのeUFS3.1品が登場
Samsung Electronicsは3月17日、フラッグシップスマートフォン(スマホ)向けにeUFS(組み込みユニバーサルフラッシュストレージ)3.1に対応した512GB製品の量産を開始したことを発表した。
同製品のシーケンシャル書き込み速度は前世代品となる512GB eUFS 3.0と比べて3倍となる1200MB/s、シーケンシャル読み込み速度は2100MB/s、ランダム書き込み70,000IOPS、ランダム読み込み100,000IOPSとなっており、同社では例えば5GBの映画1本を4秒でダウンロードすることが可能になるとしている。
また、この高速大容量性能により、ユーザーは8Kビデオや数百枚の大きなサイズの写真などの大容量ファイルを、バッファなしでスマホに保存できるようになるほか、古いスマホから新しいスマホにコンテンツを転送するのに必要な時間もかなり短縮できるようになるとしている。例えば、eUFS 3.1製品を搭載したスマホであれば100GBのデータを約1.5分で移動できるのに対し、前世代のeUFS3.0製品を搭載したスマホでは4分以上かかるとしている。
なお、同社では2020年後半に発売される予定のフラッグシップスマホ向けに512GBに加えて256GBおよび128GB製品も提供できるようにするとしている。
生産は中国の西安第2製造棟
Samsungは、フラッグシップおよびハイエンドスマホ市場全体のストレージ需要に対応するために、中国西安の2番目の製造棟(X2)にて第5世代V-NANDの量産を3月より開始したことを3月17日に併せて発表した。
現在、X2は第1期工事が終盤に差し掛かっている段階で、一部が使用可能になったための工場稼働であり、フル稼働となるまでには数か月を要する見込みだという。同工場では第1期工事に続いて、第2期工事を予定しており、その投資額は約80億ドル(第1期工事は約70億ドル)を見込んでいるという。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、同社の西安工場も物流の停滞や労働力不足などの問題が発生したものの、影響は最小限にくいとめられており、旧正月(春節)期間中も含め工場の稼働が正常に行われていたとしている。
なお、同社は西安工場での第5世代V-NAND量産開始にともない、まもなく韓国の平沢事業所PIラインでの3次元V-NANDの量産を第5世代から第6世代へとシフトさせ、増大する需要に対応する計画であるとしている。