3Dプリンタ大手Stratasysの日本法人であるストラタシス・ジャパンは2月26日に開幕した「日本ものづくりワールド2020」において、FDMおよびPolyJetの2つの方式の3Dプリンタの紹介を行っていた。
今回の出展では、当初パートナーの造形物なども多数出展する予定であったというが、新型コロナウイルスに対する対応として、最新モデルの展示などは行いつつも、ブーススタッフの数を絞る形での対応をとっているという。
宇宙船にも活用できる3Dプリンタ
そんな同社のブース構成は大きくFDM方式の3Dプリンタ技術を紹介するエリアと、PolyJet方式の3Dプリンタ技術を紹介する2つに分けられている。FDMのエリアでは、FDM方式で最大となる3Dプリンタ「Stratasys F900」のモックアップを展示。モックアップながら、造形エリア部分を開けることができ、本来であればそこにさらなる仕掛けも配置する予定であったが、今回は造形サイズ914.4mm×609.6mm×914.4mmという広いスペースを体感できるだけとなっている。
ただし、そんなFDM方式の3Dプリンタを活用した造形物の紹介は行われており、中にはNASAが開発を進める新型有人宇宙船「オライオン(オリオン)」のドッキングハッチパネルといった珍しいものも展示されている。
このオライオン(オリオン)向けに用いられた材料はESD特性を備えた「Antero800CN3」というものだが、同社ブースではESD耐性を備えた「ABS-ESD7」が実際にどの程度の静電耐性を有しているのか、といった測定を見ることができるコーナーも用意。比較材料は「ABS-M30」で、それぞれを擦って静電気を帯電させて、それをハンディタイプ静電気測定器で測って見比べることができるものとなっている。
開発初期から最終版まで幅広く対応可能なPolyJet
一方のPolyJetのエリアは、製品開発の初期から最終版まで、先般発表したばかりのJ8シリーズの最新モデル「J826」ならびに、より造形サイズが大きい「J850」を活用して対応可能であることを示すような展示となっている。
コンセプトとして展示されているのは、イヤホンケースが出来上がるまでの試作で、最初期はサイズなどを確かめることを目的に安価なドラフトグレーを高速モードで造形、その次に質感と中身の様子をクリア樹脂(VeroUltraClear)で確認、その後は50万色以上かつPANTONE認定カラーも使用できる特徴を生かした色味の確認、そして最終的にはマルチマテリアルという特徴を生かした素材の上に模様などをつけて、かつ触感も再現するという流れとなっている。
J826/J850では、こうした作業を1台でこなすことができる、というのを示すためのもので、会場では、アートキャンディショップとして知られるPAPABUBBLE(パパブブレ)から許可をもらって製作したPAPABUBBLEのキャンディそっくりな造形物なども展示されていた。
3Dプリンタユーザーの利便性向上を目指す
また同社ブースでは、直接同社の3Dプリンタを紹介するだけでなく、3Dプリンタユーザーの利便性の向上に向けたソリューションの提案も行っている。
同社3Dプリンタのワークステーションで利用されているGRABCADをソリューションとして拡張したもので、無料のユーザー登録をしてもらうことで400万件以上のCADデータの利用が可能となる「GRABCAD COMMUNITY」、AWSベースの許可された人しかアクセスできないセキュアなクラウドワークスペースを提供する「GRABCAD WORKBENCH」、CADのデータそのままで造形を可能とする「GRABCAD PRINT」、造形ジョブスケジュールの一元管理などを可能とするサービサーなどに向けた「GRABCAD SHOP」の4つのサービスが提案されている。現在、同社は2020年6月30日までの期間限定で同ソリューションへの登録キャンペーンを実施しており、期間中に登録してくれたユーザーの中から抽選で50名にクオカードをプレゼントするとしている(詳細は同社のキャンペーンサイトを参照)。