高強度、高精度、フルカラーを兼ね備えた3Dプリンタ技術を実現

リコーは5月1日、生体適合性を有し、高強度でフルカラー出力が可能なレジン成型物を3Dプリンタ技術を用いて製造する手法を開発したことを発表した。

同手法は、インクジェット技術をベースに、インクジェットのヘッドから噴射した光硬化性樹脂を紫外線で固めて積層する「マテリアル・ジェッティング方式」をベースに、フィラーを独自配合したインクを開発。独自設計したプリンティング・プロセスと組み合わせることで、高強度、高精度、フルカラーを兼ね備えた3Dプリンタ技術を実現したという。

  •  マテリアル・ジェッティング方式の概要

    マテリアル・ジェッティング方式の概要 (出所:リコー)

これにより、従来の光造形方式で造形された義歯やメガネフレーム、フィギュアなどのレジン成型物で課題となっていた力学的強度が低いといった点や単色しか造形できないといった点、ならびに従来のインクジェット技術と紫外線硬化樹脂を用いたマテリアル・ジェッティング方式で課題であった造形物の強度が低いといった点を克服したとする。

医療応用が可能なレベルの安全性を確認

また、使用するインクには、独自のフィラーを添加することで強度を向上させつつ、インクジェットノズルからの吐出を可能にする特性を保持させたとするほか、フィラーを含有した高強度なクリアインクとホワイトインクをメインに使用し、カラーインクは高濃度かつ所定の位置に少量配置することで、高強度とフルカラーの両立を実現。さらに、モノマーの配合を最適化することで、造形物の高い安全性を担保し、JIS T 10993-1に基づく生物学的安全性試験においても、問題がないことを確認したとのことで、歯科用補綴物などの医療応用も可能であることから、すでにコアデンタルラボ横浜で採用され、歯科業界への臨床応用の可能性検討が進められているという。

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