SEMI(国際半導体製造装置材料協会)は2月5日(米国時間)、シリコンウェハ製造業者部会であるSEMI Silicon Manufacturers Group(SMG)の分析結果をもとに、2019年の半導体用シリコンウェハ出荷面積が、過去最高を記録した2018年比で7%減となったほか、販売額も同2%減となったが、依然として110億ドル台を維持する結果となったことを発表した。
具体的な2019年のシリコンウェハ出荷面積は、総計118億1000万平方インチ(2018年は127億3200万平方インチ)、販売額は111.5億ドル(2018年は113.8億ドル)で、SEMI SMG副会長を務めるSEH America製品開発・アプリケーションエンジニアリング担当 ディレクタのニール・ウェーバー(Neil Weaver)氏は「メモリ市場の軟化と在庫の調整が主原因となり、2019年の半導体用シリコンウェハ出荷面積は前年比で減少となったが、販売額は安定した力強さを示している」と述べている。
なお、この販売額は、半導体用シリコンウェハの出荷面積のみを対象としており。太陽電池用は含まれていない。また、この数値は、ウェハメーカーよりエンドユーザーに出荷されたバージンテストウェハ、エピタキシャルウェハを含む鏡面ウェハ、およびノンポリッシュドウェハを集計したものとなっている。
日本勢の存在感が強いシリコンウェハ市場
市場動向調査会社である英IHS Markitによると、シリコンウェハ市場(2018年)の各サプライヤシェアは300mmが、信越化学の子会社である信越半導体が29%、SUMCOが24%と、日本勢2社だけで過半数を超すシェアを握っている。3位グループとして15%前後で独Siltronic、台GlobalWafers、韓SK Siltronが競い合っている状況となっている。
一方の200mmも信越半導体、SUMCOの2強状態は変わらないが、2社のシェアは合計45%と、過半数を超すほどでもない。3位はGlobalWafersが19%で、10%強のSiltroicとSK Siltronに差をつける形となっている。
IHSによると、大手ウェハサプライヤーが200mmの増産に慎重で、代わりに新興の中国勢であるWafer WorksやFerro Teckなどが増産を進めているという。なお、Ferro Tekはフェローテックホールディングス傘下の中国法人であり、主に中国内の半導体デバイスメーカー向けの小口径ウェハ製造に注力している。
M&Aの専門家がSK SiltronのCEOに就任
2019年末、韓国唯一のシリコンウェハメーカーであるSK SiltronのCEOにSK Materialsの前CEOを務めていたYong-Ho Chang氏が就任した。同氏はSKグループの持ち株会社SK Holdingsの投資部門でいままで多数のM&Aを担当して、SK Materials(元OCI Materials)やSK Siltron(元LG Materials)の買収における中心的役割を果たした人物でもあり、韓国メディアからは、「M&Aプロフェッショナル」とも呼ばれている。そんなChang氏が、韓国政府の素材・部品・装備国産化推進政策に、どのように呼応していくのか、また米Dupontから買収したSiCウェハ製造事業をどのように発展させるか、その手腕が注目される。