国際半導体製造装置材料協会(SEMI)は11月12日(米国時間)、SEMI Silicon Manufacturers Group(SMG)によるシリコンウェハ業界の分析結果をもとに、2019年第3四半期(7~9月期)の半導体向けシリコンウェハの出荷面積が4四半期連続で減少したことを発表した。

同第3四半期は前四半期比1.7%減の29億3200万平方インチで、過去最高であった前年同期と比べると9.9%減となっており、ウェハの出荷面積の減少に歯止めがかからない状況が続いていることが示された結果となった。

SEMI SMG会長のShin-Etsu Handotai America(信越半導体アメリカ)技術担当ディレクター ニール・ウィーバー(Neil Weaver)氏は「シリコンウェハの出荷面積は引き続き、過去最高であった2018年を下回る水準が続いている。長引く地政学的な緊張による世界規模の景気減速が影響している」と語っている。

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    半導体用シリコンウェハの出荷面積の推移 (出所:SEMI)

シリコンウェハ出荷面積減少の背景

メモリバブル全盛であった2018年第3四半期までと比べて、メモリバブルが崩壊した2019のウェハ出荷面積が縮小するのはやむを得ないだろう。一方で、2019年第3四半期のDRAMサプライヤの売り上げは、前四半期比で2期連続の増加傾向を示している。にも関わらず、ウェハの消費量が伸びていないという背景には、DRAMサプライヤ各社が、いまだに在庫調整を進めている段階であるほか、従来のようにウェハの投入枚数を増やして生産能力を高めるのではなく、微細化に注力して1Y-nmさらには1Z-nmプロセスを採用することで、ウェハ1枚からとれるチップ個数を増やす作戦をとっているためであろう。

その結果ともいえるのがSUMCOが先ごろ公表した2019年1~9月期(3四半期の累計)の連結決算であろう。売上高は前年同期比6%減の2285億円、営業利益が同34%減の424億円、純利益が同34%減の281億円であった。やはりメモリ向けウェハの販売が振るわなかったという。

同社は10~12月期も売上高は前年同期比8%減の2975億円、営業利益は同42%減の494億円、純利益は同45%減の321億円と予測しており、メモリ向けウェハがまだ顧客の在庫調整が継続するとの見方から、年内の業績回復は見込めないとしている。

値上げが奏功した信越半導体

半導体ウェハのもう一方の雄である信越半導体だが、親会社の信越化学の決算資料によると、4~9月期(2019年会計年度上半期)のシリコンウェハ事業の営業利益は前年同期比11.8%増の745億円と好調であったとしており、SUMCOと明暗を分けた形となった。要因としては、ウェハ価格を値上げした効果が出たほか、大口顧客向けウェはが長期契約に基づいて、市況変動の影響を受けにくい体制を整えていたことが挙げられる。ただし、10~12月期については、メモリの在庫調整が継続するとSUMCOと同様の見方をしている。

信越半導体の白河工場(福島県)は11月12日、発火事故が発生し従業員に負傷者が出たことを親会社である信越化学が公式に発表している。屋内ガス配管清掃中に爆発事故で火災が発生し、従業員2名が負傷したという。これにより製造ラインが一時停止した模様だが、公式発表がなされた段階では、操業を再開しているという。なお、この事故がどの程度、今後の業績に影響を与えるのか、また事故の原因は何なのかなどについての詳細は不明となっている。