ON Semiconductorの日本法人オン・セミコンダクターは、11月20日~22日にかけて神奈川県・パシフィコ横浜にて開催されている組込み総合技術展 & IoT総合技術展「ET&IoT Technology 2019」にて、自社のCMOSイメージセンサを手軽に活用できるプラットフォームのデモなどを行っている。
同プラットフォームはXilinxのZynqを搭載したUltra 96 v2ボード版とNVIDIA Jetson TX2版の2種類を用意。Ultra 96 v2版は、グローバルシャッターに対応した車載向け1MピクセルCMOSイメージセンサ「AR0144」を2つ搭載したステレオカメラモジュールとしたメザニンカード。提供方法などはこれから詳細が詰められるとのことであるが、Ultra 96の販売元であるAvnet(アヴネット)と協力する形での提供となるという。
一方のJetson TX2版は120fps対応のローリングシャッター方式4MピクセルCMOSイメージセンサ「AR0430」を搭載したもの。同社では、CMOSイメージセンサについて今後、IASモジュールという形式を提唱し、そのフォーマットに準拠したモジュールをパートナー各社に提供してもらうことで、イメージセンサを用途に応じて手軽に使い分けてもらう、といったことの実現を目指すとしており、今回の2つのプラットフォームはその試金石という位置づけになるという。
スタンドアロンの音声認識デモ
また、同社ブースでは32-bit&192kHzハイレゾリューション・オーディオに対応したオーディオ処理LSI「LC823450/82345x」を用いたスマートホームで音声ユーザーインタフェースを実現するためのデモも行っている。
これはスマートスピーカーのようなインターネットに接続されたデバイスではなく、スタンドアロンの家電などでも音声認識機能を搭載することを可能にしようというもの。例えば、蛇口につければ、「水を300mlだして」といった要求に蛇口を手でひねらなくても対応したり、風呂場において頭を洗っていて手が泡だらけのときに、「シャワーを出して」といった要求に家自身が対応してくれたりできるようになる。なにもこうした要求はインターネットの先にある情報を持ってくる必要もないわけで、同社ではアイドル状態で2.8mA程度、トリガーモード時でも6.4mA程度、音声コマンドモードでも7.6mA程度と低消費電力の同製品を活用することで、電気代を抑えつつ24時間365日、いつでもそうした要求に応えることができるようになるとしている。
LC82345xのほうは、搭載SRAMが4MB(LC32450は1.5MB)に引き上げられたものとなり、こちらは2019年12月に正式リリースされる予定。SRAM容量が増えたことで、インターネットを介する必要がある、より複雑な処理にも対応できるようにした製品となるという。
このほかにも同社ブースではBluetooth meshネットワークのデモも行っている。こちらはBluetooth SIGが定義した電源オン/オフのプロファイルを用いて、複数の照明をスマートフォン経由でアクセスして一括制御したり、個別制御したりといったことが簡単にできることを示したもので、実際にデバイスを制御するためのモバイル版メッシュアプリも近日中に公開される予定としている(デモは開発中のアプリを活用して実施していた)。