Silicon Labsの日本法人シリコン・ラボラトリーズは、11月20日~22日にかけて神奈川県・パシフィコ横浜にて開催されている組込み総合技術展 & IoT総合技術展「ET&IoT Technology 2019」にて、Bluetoothの最新バージョン5.1で可能になるAngle Of Arrival(AoA)の実デバイスによるデモを披露している。

これはBluetooth 5.1対応チップと、4×4のアンテナアレイを用いたリファレンスソリューションを用いて、AoAが実現できることを示すもの。AoAは、Bluetoothの電波を受信することで、その信号がどの方向から飛んできたのかを1m以下の誤差精度で判定することを可能とする技術で、受信側と送信側が逆(電波の向きが逆)だとAngle of Departure(AoD)と呼ばれる。これで、ビーコンがどの方向のどこら辺にある、といったことがより分かりやすくなるので、家の中で、○○どこ行った?、と言いながらうろちょろする時間を減らすことも可能となる(もちろんBluetooth 5.1に対応するタグやビーコンが仕込まれている必要はある)。

  • Bluetooth 5.1
  • Bluetooth 5.1
  • Bluetooth 5.1によるAoAデモの様子

同社が同展にて紹介している各種Bluetooth関連のチップはBluetooth 5.0対応と記載されているが、アップデートで5.1に対応できるとのことである。

6.25ドルで手に入る8ビットマイコンモジュール

このほか、同社ブースではEclipseベースの統合開発環境(IDE)「Simplicity Studio」を用いたBluetooth Low Energy(BLE)の消費電流測定デモなどを見ることができるほか、ゼロプログラミングでBluetoothやWi-Fi、USB接続などを可能とするXpressソリューションやCortex-Mベースならびに8051ベースマイコンの紹介なども行われている。

  • Xpress

    プログラム不要ですぐに使えるXpressシリーズも展示

ちなみに8051ベースの8ビットマイコン「EFM8」だが、シリーズモデルとして最大72MHz駆動のものや、USB対応、14ビットADC搭載といったものなどがラインアップされている。産業機器のコプロセッサなどで現在でもかなり活用されているとのことである。また、初めてのマイコン、といったニーズにもマッチする6.25ドル(同社Webサイト上の価格)という低コストなスターターキット「EFM8BB1LCK」も用意されているという。

  • 8ビットマイコン

    各種マイコンモジュールも展示。右下が6.25ドルの8ビットマイコンモジュール

なお、同社は各種の無線通信チップを武器に2020年にかけて市場に対する攻勢を強めていく予定としており、中でもBluetoothについてはBlue Geckoシリーズ2プラットフォームの本格展開を行っていくとのことである。