フォトシンスは5月27日、既設のICカードや指紋認証と連動した電気錠や自動ドアをクラウドで制御することを可能にしたドア一体型スマートロックソリューション「Akerunコントローラ」を2019年6月1日より法人向けに提供することを発表した。
同社がこれまで提供してきたスマートロック「Akerun Pro」はいわゆる手動式のサムターン鍵に後付けしてクラウドベースの「Akerun入退室管理システム」と連動させることで、入退室の権限の付与や履歴管理をWebブラウザ上で行うことを可能としたもの。個人情報保護法の改正や働き方関連法案の実施などにより大企業のみならず中小企業も含め、これまでに3000社以上で導入されてきたという。
しかし、既存の従来型の鍵の利用率は法人オフィスの65%ほどで、残りの35%は何らかの電気錠であり、そうしたユーザーからも利用したい、というニーズを受け、今回のAkerunコントローラの開発に至ったという。システムのベースはAkerun Proと同じで、クラウド上のAkerun入退室管理システムとも連携が可能。電気錠とは既設のオンプレミスのサーバやPCとつながっている電源ラインをAkerunコントローラとの接続に変更するだけで、電気錠をクラウド化することができるようになるという。
また、ソフト面での機能はAperun Proと比べてさまざまな面で強化が施されている。例えば、入退室のNFCカードの登録上限数はAkerun Proでは50人未満の規模のオフィスを想定していたが、Akerunコントローラではその上限を1万枚に拡大。より大規模の拠点などでも利用することが可能となった。また、電気錠制御盤の機能を有しており、施錠・解錠操作をコントローラ上で行うことができるほか、Web API経由での開け閉めも可能。さらに、火災発生時といった非常時に火災発生の信号を受けて瞬時に解錠する非常時開放システム(逆に施錠することも可能)も搭載するほか、コントローラ自身の故障検知機能に加え、電気錠の故障監視機能も搭載されているという。
なお、機器はいずれもレンタルとなるため、初期購入費用は0円(設置費用や電気錠の購入費用は別途見積もり)。システムの利用料金は月額1万5000円/扉(機器のレンタル費用、サポート費用込み。ただし有償のオンラインサポートオプションは別途見積もり)としており、当初の提供エリアは東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、名古屋、福岡としているが、順次拡大していく予定だという。