宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月5日9時、小惑星探査機「はやぶさ2」に関する記者ブリーフィングを開催し、現在実施中の衝突装置(SCI)運用の最新状況について説明した。探査機の状態は正常。今のところシーケンスは全て予定通り行われている。
今回は2月のタッチダウン運用と異なり、ハイゲインアンテナの通信は基本的に常時行われており、地上からは17分前の探査機の状態がモニターできている状態。SCI作動時の探査機の状態は、11時53分あたりからデータが届き始める予定で、そこで探査機の健全性が確認できるかどうかがまず大きな山場になるだろう。
本日は14時30分より、吉川真ミッションマネージャと久保田孝スポークスパーソンによる速報会見が行われる予定。その後、16時30分より、津田雄一プロジェクトマネージャによる質疑応答の時間も設けられる模様だ。
久保田氏によれば、SCI運用を開始する際、津田プロマネからはメンバーに対し、「今回行うのは、JAXA初の挑戦。自動・自律で行く面が多いが、よくデータを見てもらい、想像力を働かせて先読みして欲しい」と挨拶があったという。
久保田氏は「SCI運用は、初号機でもやらなかった新しいチャレンジ。しかし議論を重ねてきて、用意周到にやってきたので、あとは天命を待つ心境」とコメント。「ちょうど新元号が大きな話題となったが、はやぶさ2にとっては平成最後の大仕事なのかなと思っている。成功するのを楽しみにしている」と期待した。
なお会見後、分離カメラ「DCAM3」のエンジニアリングモデル(EM)が初公開された。DCAM3の撮影画像も本日中に取得したいとのことだが、待避行動中はスラスタの運用が最優先のため、本日中に公開があるかどうかは微妙なところ。こちらも注目したい。