半導体市場調査会社である米VLSIresearchが3月19日(米国時間)、中国市場における2018年の垂直型プローブカード(ウェハ上のデバイスのパッドに垂直に接触するプローブカード)の販売額が、前年比53%増の2950万ドルに達し、2019年も同40%増の4130万ドルの見込みと急成長を続けているとの調査結果を発表した。

垂直型プローブカードの世界市場は、2012年以来比較的横ばいであったが、中国市場の急成長はこれとは対照的な動きといえる。ただし、垂直型プローブカードの世界市場の規模は約3億ドル規模と大きいため、中国市場のシェアはまだ10%程度のレベルにとどまっている。

中国での垂直型プローブカードの販売額が増加している背景には、中国国内での半導体製造能力の拡大によるところが大きい。中国での生産能力増強のための設備投資の多くは現在、外資系半導体メーカーによるところが大きく、結果として、ほとんどの垂直型プローブカードも国外の企業からの供給となっている。

将来的な話だが、中国のチップメーカーによる投資が加速し、外国企業による投資を追いぬくにつれて、中国のチップメーカーは地元の垂直型プローブカードサプライヤを探したり育成したりするようになるだろうとVLSIresearchではみている。中国の新興プローブカードサプライヤの1社であるShenzhen DGTは、すでに垂直型プローブカード技術を精力的に開発しているという。

なお、VLSIresearch EuropeのマネージングディレクターであるJohn West氏は、「2018年、中国市場での垂直型プローブカードの売上高は5年前に比べて10倍の2950万ドルに達した。この傾向は今後加速し、中国が近い将来垂直プローブカードの大量消費国になることは間違いない。これにより、中国のプローブカードベンダーは利益を得る絶好のチャンスに恵まれるだろう」と述べている。

  • 中国における垂直型プローブカードの需要は急増中

    中国における垂直型プローブカードの需要は急増中 (出所:VLSIresearch)