各放送局からリアルタイムに放送されているテレビ放送。インターネット時代であるからこそ、その瞬間々を多くの人と共に見る、共有できる特徴が鮮明になる。テレビCMも同様だ。知らず知らずにCMで流れる曲を口ずさんだり、商品とともに短い時間に流れるメッセージは多くの人々とその瞬間を共有している。

日本テレビ放送網、博報堂、博報堂DYメディアパートナーズの3社はMRデバイスを着用して、通常のテレビ画面のCMを視聴するとキャラクターや商品などが飛び出るMixed Reality(MR:複合現実)技術活用の「MR CM」のプロトタイプコンテンツを開発したことを5日、発表した。

  • 「MR CM」博報堂資料より

    博報堂資料より

日本テレビは有名人やCGキャラクタを部屋に呼び入れたり、隣に並んで写ったりできる公式ARアプリ「mixta AR」を展開しているが、このmixtaチームと博報堂/博報堂プロダクツのVR/AR/MR専門ファクトリー「hakuhodo-VRAR」が開発に取り組み、今回プロトタイプコンテンツとして3本(ビール編/ガム編/保険編)の架空のテレビCMサンプルを作成した。

テレビCMが持つ全国あらゆる地域の人々に一斉に情報を届けられるという特性とMRによりもたらされる体験、両者を活かした"テレビCMの世界観を拡張するコンテンツ"は、CMの人物やキャラクターが目の前に飛び出てきて一緒に商品を楽しむ、リビングで一緒にゲームを行う、商品の詳細な説明を1対1で聞くなどが可能になるという。プロトタイプは実験目的のため公開はしていないが、「mixta ARアプリ」とBS日テレ「チルテレ」内のSENSORSコーナーにおいて、放送と連動した実証実験も行われる予定だ。

ヘッドセットを着けて通常のテレビを視聴、CM視聴中にテレビ画面から飛び出し楽しませてくれれば、テレビCMがMRコンテンツの宝庫になるというわけだ。テレビが持つ一体感やモーメントの共有も相まって、楽しそうな時間を過ごせそうだ。