EC物流代行サービスなどを展開するディーエムソリューションズはこのほど、日本からの越境EC進出国として上がりやすい、アメリカ・中国・台湾・イギリス・シンガポール・マレーシア・タイ・インドネシアの8ヵ国に対して、日本製品の需要に関する実態調査を実施し、結果を公開した。約9割の消費者が日本の商品やブランドを欲しいと回答し、高い需要があることなどがわかった。
ディーエムソリューションズは、EC物流代行サービス「ウルロジ」、他ダイレクトメールの発送代行サービス、インターネット事業等を展開している。このほど、越境EC支援サービス強化の一環として、日本からの越境EC進出国として上がりやすい、アメリカ・中国・台湾・イギリス・シンガポール・マレーシア・タイ・インドネシアの8カ国、、20代~40代の男女800名(各国100名ずつ)を対象に、日本製品の需要に関する実態調査を実施した。調査期間は6月20日~7月3日。
日本の商品やブランドについて、「欲しい」と思ったことがあるかをたずねたところ、「よく思う」(39.9%)と「思ったことがある」(47.5%)を合わせて約9割の海外消費者が「日本の商品やブランドが欲しい」と回答し、高い需要があることが判明した。
日本の商品やブランドをECで購入しようとした際に、販売されておらずがっかりした経験があるかをたずねたところ、「よくある」が27.5%、「ときどきある」が49.1%と、約8割が日本の商品やブランドがないことに「がっかり」している結果となった。高い需要に対して、供給が追いついていないことがわかった。
日本の商品やブランドにいつ頃から関心を持ち始めたかをたずねた問いでは、「~半年前」が9.2%、「半年~1年前」が13.7%、「1年~3年前」が23.0%と、2人に1人の海外消費者がコロナショック後から興味を持ち始めたことがわかった。巣ごもり需要による、「ネットフリックス」や「YouTube」が認知拡大に貢献している可能性がありそうだと推察している。
日本の商品やブランドに関心を持ったきっかけをたずねた問い(複数回答)では、「ソーシャルメディア」が70.3%ともっとも多く、次いで「友人や家族の口コミ」が36.0%、「テレビやラジオの広告」が34.8%という結果になった。認知のきっかけとしては、7割がSNSと圧倒的なことがわかった。需要と供給のバランスが崩れている越境ECのマーケティング手法としては、SNSマーケティングが有効打になりえる可能性があるとしている。
日本のカルチャーで関心のあるものをたずねた問い(複数回答)では、「アニメ・マンガ」が60.5%ともっとも多く、「食文化」(57.1%)、「自然・観光地」(44.3%)が続いた。寿司やラーメンなどの食文化を抜いて、アニメ・マンガが人気カルチャートップとなった。昨今、円安によるインバウンド需要やクールジャパンなど国を挙げてのPRの後押しもあり、アニメ・マンガは日本を代表するカルチャーとなっており、越境ECとしてはグッズ展開として、フィギュアやアクリルスタンドなどの人気が高まっていくことが予想されるとしている。
ディーエムソリューションズは、今回の調査で越境ECの進出先候補として挙がりやすい8か国では、日本の商品やプロダクトは需要が高く、供給が足りていない需要過多の状態となっていることがわかったとし、国内マーケットに比べて海外マーケットへの進出は慎重になりがちだが、まず一歩目を踏みだす勇気こそが成功の秘訣ともいえるのではないかとの見解を示した。
同調査の結果は、ディーエムソリューションズのサイトでダウンロードできる。