ルネサス エレクトロニクスは、産業用ネットワーク機器向けにIO-Linkマスタの実装を容易にする新たな開発キットとして、「RZ/N1S IO-Linkマスタソリューション」を発表した。

同ソリューションには、RZ/N1Sを搭載したIO-Linkマスタ評価ボードに加え、ドイツのTMG Technologie und Engineering(TMG TE)が開発したプロトコルスタック(評価版)が含まれている。評価ボードには8つのIO-Linkコネクタが搭載されているため、ユーザーはIO-Linkスレーブデバイスを接続してすぐに評価を開始することができる。

オールインワンの開発キットが、IO-Linkマスタを搭載したアプリケーション開発を簡素化し、システム評価時間を最大6か月短縮するなど、プロトタイプから量産までの開発期間を短縮する。

同ソリューションの中核となるルネサスの産業用マイクロプロセッサ「RZ/N1S」は、2つの独立したCPU、R-INエンジン、そして6MBの内蔵SRAMを搭載している。1つのCPUが8ポートのIO-Linkマスタを制御し、もう一方のCPUとR-INエンジンが産業用イーサネット通信を制御する。これにより、RZ/N1Sは、外付けのマイクロコントローラやDDRなどのメモリを使用することなく、IO-LinkマスタとPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)などの上位レイヤとの産業用イーサネット通信を実現する。また12×12mmの小型LFBGAパッケージ品のため、コンパクトな製品設計を可能にする。

  • RZ/N1S IO-Linkマスタソリューション

    ルネサスのスマートファクトリ向けRZ/N1S IO-Linkマスタソリューション

なお、RZ/N1S IO-Linkマスタ開発キットは、現在レンタルで利用可能となっている。