エクスプローラは11月7日、秘匿性が高く不安定な伝送路でも安定した品質を確保することを可能とする技術「SRT(Secure Raliable Transport)プロトコル」を搭載した4K対応H.265/HEVCコーデックシステム「EHU-3410E/3410D」を製品化したことを発表した。

SRTプロトコルはカナダHaivisionが開発したオープンソースのビデオ伝送技術で、1対1の通信方式。音声や映像データのほか、文字情報などのメタデータの送信にも対応している。エラーリカバリ機能や低遅延ストリーミング、暗号化によるセキュリティ、ファイアウォール通過機能といったネットワーク関連で求められる複数の機能を有しており、2017年4月にSRTアライアンスが発足、Microsoftが2018年には参加を表明するなど、普及活動が進められている。

  • SRTプロトコルの概要

    SRTプロトコルの概要 (出所:エクスプローラ/PALTEK発表資料)

  • SRTで得られるデータ各種

    SRTで得られるデータ各種(出所:エクスプローラ/PALTEK発表資料)

  • MicrosoftもSRTへの対応を表明

    MicrosoftもSRTへの対応を表明 (出所:エクスプローラ/PALTEK発表資料)

同システムはH.265/HEVCのみならず、H.264/AVCにも対応。IPプロトコルとしてもSRTのほか、RTMPやSNMPといったプロトコルや低遅延モードなども搭載。映像入力信号としては、Main 4:2:2 10プロファイルと4K60Pに対応し、入力インタフェースには伝送速度12Gbpsの12G-SDIが標準搭載。HDR信号にも対応が可能となっている。

なお、同コーデックシステムは2018年11月の受注受付を開始し、出荷は2019年3月となる予定だとしているほか、SRTプロトコルを搭載した4K対応H.265/HEVCコーデックシステムEHU-3410E/Dを使ってSRT伝送のデモを2018年11月14日~16日にかけて幕張メッセで開催される「Inter BEE 2018」にて実施する予定だとしている。

  • コーデックシステムを用いたデモ
  • コーデックシステムを用いたデモ
  • コーデックシステムを用いたデモ
  • コーデックシステムを用いたエンコード/デコードのデモ風景。フルHDのビデオカメラのデータをHDMI1.2(3Gbps)で伝送したものをH.264で圧縮してUDPとSRTで伝送し、H.264デコーダで再生するというもの。システム遅延はUDP側が150ms、SRT側が200msと若干SRTの方が遅いものの、ノイズの発生などはないという比較となっている