一度届くと、どんどん増えていくスパムメール。当初は、電子メールによるスパムが主流だったが、携帯電話やSNSの利用が広がるにつれ、スパムの送信先も拡大していった。夜中にスマートフォンでスパムメールを受信して、叩き起こされたことがある人も多いだろう。

セキュリティベンダーや通信キャリアが、スパムメールを撲滅するためにさまざまな手を打っているが、いまだ絶えない。本稿では、マカフィーの公式ブログ「スパムとは|メール・Twitterなどへの迷惑メッセージの原因と対処」をもとに、スパムメールの特徴を整理するとともに、対策をまとめてみたい。

スパムとは?

スパムとは、基本的には受信者の意向を無視して、不特定多数かつ大量に一括送信されるメッセージを指す。そのほとんどが広告であり、このタイプのスパムメールの多くは反応しない限り、危険はないという。

しかし、閲覧してウイルスに感染するような悪質なメールもあり、その場合、巧妙な手法でウイルスが仕込まれた添付ファイルを開かせようとすることもあるので、不審なメールの取り扱いには注意が必要だ。

スパムの被害として最も多いのは、偽のオンラインショップへの誘導による金銭や情報の搾取。ブランド品、入手困難なイベントチケットなどを格安で購入できるという内容のメッセージが不特定多数に送られる。メッセージ内のリンク先にアクセスすると、商品が格安の値段で販売されているが、購入しても商品が届くことはないという。

また、前述したように、マルウェア感染を目的としたスパムもある。ユーザーがうっかりメールを開いてしまうように件名を工夫して、巧みな本文で誘導して添付ファイルを開かせようとする。感染するマルウェアは、オンラインバンキングの取引を狙う「バンキングマルウェア」が多くなっており、感染すると不正送金を行われる可能性があるという。

スパムの種類とその対処法

スパムはメールとして送信されるだけでなく、各種SNSのメッセージを介して送られることもある。以下、代表的なスパムの種類とその対処法を紹介しよう。

スパムメール

かつて、スパムメールは多くが英語で書かれていたが、日本語のスパムメールも増えているという。内容は格安商品や格安チケット、アダルトショップが多いほか、マルウェアに感染させようとする巧妙なスパムメールも増えているという。

不審なメールの本文で自分の氏名やサービスのID番号などが記載されている場合、対処法として、まずは正しい情報かどうかを確認する。個人を識別できる情報がない場合、氏名ではなくメールアドレスの「@」以前を記載しているような場合は、不特定多数に送られているスパムメールの可能性が高い。

また、添付されているファイルが、PDFファイルやWord、ExcelなどのOfficeファイルで、開いても普通に中身が表示される場合でも、その裏でマルウェアの感染活動を行っているケースがあるので、ファイルが添付されている不審なメールを受信した時は、中身を開かずにそのまま削除するのが一番だという。

Twitterのスパム

Twitterでは、ツイートのコメントにスパムコメントを書かれたり、スパムメッセージが送られてきたりすることがある。Twitterもメールと同じく、不特定多数に対して無差別に書き込みやメッセージが行われているようだという。ただし、機能上ファイルの添付はない。

コメントやダイレクトメッセージのリンクでフィッシングサイトに誘導するケースがあるので、注意したい。友達やツイートを見た人がリンクをクリックしてしまう可能性もあるので、スパムコメントに気づいた時は、コメントを書き込んだユーザーをブロックしたり、Twitterに報告したりするとよいだろう。この対処はダイレクトメッセージの場合も同様となる。

Facebookのスパム

FacebookもTwitterと同様に、投稿やタイムラインにスパムコメントを書かれたり、スパムメッセージが送られてきたりする。Facebookはファイルを送ることもできるので、マルウェアにも注意が必要となる。また、Facebookのメッセンジャー機能はMessengerアプリになっていて、Facebookと連携しているので、Messengerへのスパムにも注意が必要。

Facebookでは、スパムコメントやメッセージを削除したり、書き込みをしたユーザーのフォローを解除したり、フィードバックから報告を行ったりできる。

LINEのスパム

LINEではIDや電話番号でユーザーを検索できるため、見知らぬ相手から突然トークのリクエストが届くことがある。心当たりのない相手であればブロックし、悪質な場合は「設定」→「通報」を選択し「スパム / 宣伝目的」をチェックして通報するのも手だ。

LINEでは、設定画面の「プライバシー管理」で「IDによる友だち追加を許可」をオフに、「メッセージ受信拒否」をオンにすることで、友だち以外からのアクセスをブロックできる。また「友だち」の設定画面で「友だちへの追加を許可」をオフにしておくことで、アドレス帳の電話番号で友だち登録されることを防ぐことが可能で、同様に「友だち自動追加」もオフしておくとよい。