丸紅情報システムズ(以下、MSYS)は、IoTデバイス向けの軽量ブロック暗号である「Speck」に対応した、暗号鍵保護ソフトウェアの提供を開始することを発表した。

今回提供を開始する暗号鍵保護ソリューションは、2017年よりMSYSが取り扱う米whiteCryption社製ソフト「Secure Key Box」の最新バージョン5.13.0。

Secure Key Boxは、暗号鍵を平文に変換することなく暗号機能を使用可能にするホワイトボックス暗号実装技術により、暗号鍵の盗用を防ぎ、アプリケーションソフトウェアをハッキングやリバースエンジニアリング、マルウェアによる攻撃から守るソフトで、最新版では、IoTデバイス向け軽量暗号(Lightweight Cryptography)である「Speck(スペック)」に対応した。

通常の暗号は、メモリや処理能力に制限のあるIoTデバイスでは利用が難しく、またコネクテッドカーでは低遅延が求められるなどの理由により、少ないリソースでも暗号処理が可能な軽量暗号が不可欠である。2013年にアメリカ国家安全保障局が発表したSpeckは、暗号化および復号化に高い処理能力を必要とせず、かつ高速であるという特徴を有する。

Speckを採用するIoTデバイスメーカーは、コネクテッドカー、医療機器、スマートメーター、ホームオートメーションなどのアプリケーションにSecure Key Boxを採用することで、IoTデバイスとアプリケーションを結ぶ通信からのデータ流出や、アプリケーションの不正操作を防ぐことが可能となるということだ。