NECは3月20日、法人向けのVR技術の活用ソリューションにおいて、最新のインタラクション技術(「視線追跡(アイトラッキング)」「触覚フィードバック」)と業務アプリケーションを連携させ、より高度なVR体験を実現したと発表した。
2020年には、VR市場は8兆円にまで成長すると予測されている。エンターテイメント領域を中心とした活用や導入が進んでいる一方、法人向け市場においても、人手不足や生産性向上などの業務課題に対するVR活用が検討されており、NECでは2016年より、法人向けにVRソリューションの提案・構築を行ってきた。
今回同社は新たに、視線追跡技術と連携した買い物客視線を可視化する「店舗棚割りシミュレーション」機能を追加。これにより、店舗における商品棚の共通棚割り情報(PTS:Planogram Transfer Specifications)をインプットすると、VR空間上で自動的に3Dの商品棚を生成することが可能となった。
さらに、視線追跡が可能なFOVE製のVRヘッドマウントディスプレイ「FOVE 0」を活用・連携させ、買い物客の視点で商品棚を見た軌跡をヒートマップとして可視化することで、棚割りの効果検証を可能とした。
一方の、触覚フィードバック技術と連携した臨場感の高いトレーニング体験システムにおいては、同システムを活用することで、これまでVR空間上でのみ行われていた工場などでの各種作業のトレーニングにおいて、実際に物をつかんだ際の手の感触を実感できるようになった。ここでは、exiii製の「触覚フィードバックデバイスEXOS」が活用されている。
同社では、工場における生産ラインの作業トレーニングや、海外における工場建設前のユーザビリティ実証などにおいて、自社でVRを活用しているほか、さまざまな業種(交通・製造・リテール・官公庁など)においてもすでに、VR活用ソリューションを30社以上に導入している。
今後は、法人市場におけるVR活用シーンの知見を活かしつつ、NECソリューションイノベータの人間工学/人間中心設計専門家による次世代ヒューマンインタラクション技術/コンサルテーションを組み合わせることで、現場でより高い費用対効果を実現するために、顧客との共創を進めていくことで、さまざまな現場に適したソリューションを提供していきたいとしている。