NXPセミコンダクターズは7日、複数の移動体通信事業者(MNO)のサービスで、消費者へのリモートSIMプロビジョニングとOTA(over-the-air)アップデートの実現を容易にする、GSMA準拠eSIMソリューション「SN100U」と「SU70」を発表した。

新製品「SN100U」は、組み込みセキュア・エレメント(SE)、近距離通信(NFC)、eSIMを統合した世界初のシングルダイ・チップセットで、NFC機能、セルラー・コネクティビティ、セキュリティの向上を実現する。

OEM企業は、より容易でコスト効率の高い方法で、モバイル・トランジット、スマート・アクセス管理、非接触型決済、強力なプラットフォーム・セキュリティなどの要求の厳しいアプリケーションを将来のデバイスに統合できる。

また、SN100Uは複数のインターフェースとセキュアなソフトウェア機能を提供することから、機能豊富な新デバイスの性能、規格準拠、セキュリティに妥協を許さないMNO、OEM企業、ODM企業に対し比類のない選択肢を提供する。加えて、非常に高い読み取り/書き込みサイクル、マルチインターフェース並行管理、超低消費電力によりコネクテッド・デバイスの寿命を延長し、MNOとそのユーザーにメリットを提供する。

もう1つの新製品である「SU070」は、業界最小のフットプリントを提供し、セルラー・コネクティビティと低消費電力を必要とするスマートフォン、タブレット、ノートPCなどのIoTデバイスに最適なスタンドアローンeSIMソリューション。

SN100UとSU070チップセットはいずれも、既存のソリューションに比べ、プリント基板上で30%の省スペースを実現し、従来のSIMカードが必要とするSIMポート/トレイを不要にすると同時に、消費電力を大幅に低減している。特にSU070は、競合のeSIMソリューションに比べて、消費電力を最大75%低減を可能にする低消費電力モードを提供する。これによりMNOは、自社のサービスに応じてモバイル・セルラー・コネクテッド・デバイスのタイプを増やすことができる。

eSIMとSE機能の統合により、例えばエンド・ユーザーは通話を継続しながら並行してNFCモバイル決済をシームレスに行うなど、より便利でセキュアなライフスタイルを楽しむことができる。

NXPの上席副社長兼セキュア・トランザクション&アイデンティフィケーション事業部ゼネラル・マネージャーのRafael Sotomayor氏は、次のようにコメントしている。「5Gセルラー・デバイスの増加と消費者向けIoTの継続的な増加傾向により、新たなデバイスとサービス全般にわたっていろいろなものが接続される世界になります。eSIM機能の追加によって、こうしたデバイスはよりスマートで独立動作型になることから、セキュリティ、性能、信頼性のさらなる向上が必要になります。私たちはセキュアなIoTソリューションのリーディング・プロバイダとして、容易なリモート・プロビジョニングを可能にするシングル・ダイにクラス最高のセキュリティ、NFC、コネクティビティ機能すべてを統合し、ユニークなソリューションを提供します。」

なお、この新しいeSIMソリューションは、2月26日〜3月1日にスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Conference(MWC) 2018」の会期中、NXPとroam2freeが開催した「Remote SIM Provisioning for Connected Devices」において紹介された。