NXPセミコンダクターズは広範なエッジ・コンピューティング・ポートフォリオの新製品として、より強力でセキュアなデバイスとなる次世代Kinetis マイクロコントローラ(MCU)「K32W0x ワイヤレスMCUプラットフォーム」(K32W042、K32W032、K32W022)を発表した。

「Kinetis MCU K32W0x MCU チップ」

「Kinetis MCU K32W0x チップ」

K32W0xプラットフォームは、先行モデルに比べて性能向上や機能追加、セキュリティ強化が図られており、IoTの進化に対応する。新プラットフォームは、デュアルコア・アーキテクチャと組み込みマルチプロトコル無線通信を統合した初のシングルチップ・デバイスで、IoT製品デベロッパーに対し、半導体やソフトウェア、イネーブルメント、サポート、購買の一括提供を可能とし、機能とセキュリティの向上と同時に、製品の複雑さ、サイズ、コストを低減する。

また、ホストとワイヤレスMCUを1個の小型デバイスに統合しており、通常はサイズが大きくコストの高い2チップ・ソリューションを要する高性能アプリケーションの小型化を実現。また、ウェアラブル、スマート・ドアロック、サーモスタットやその他のスマートホーム機器といった機器や、ヘルスケア、商用、産業IoTアプリケーションに対し、マルチプロトコル無線通信と堅牢な性能を提供するとしている。

同製品の主な特徴は、高性能アプリケーション・プロセッシング向けのArm Cortex-M4コアと、低消費電力コネクティビティ/センサ・プロセッシング向けのCortex-M0+コアのデュアルコアを採用し、フル機能アプリケーションやコネクティビティ・プロトコルをサポートする1.25MB Flashと384kB SRAMという大容量メモリを搭載する。

K32W042の通信機能は、mThread IPベース・メッシュ・ネットワーキング・スタックとZigbee 3.0メッシュ・ネットワーキング・スタックを含む、Bluetooth 5とIEEE 802.15.4をサポートしたマルチプロトコル無線通信に対応し、Bluetooth 5を介したiCloudによるHomeKitをサポートする。

また、セキュリティ機能は、AES、DES、SHA、RSA、ECCなどの暗号化、署名、ハッシング・アルゴリズムのための専用コア、インストラクション、データ・メモリを搭載した暗号化サブシステムを採用。セキュリティ・キーの保存と保護のためのセキュアな鍵管理やセキュリティ侵害、物理的改ざんの発生を検知した際に、セキュリティ・キーなどの暗号化サブシステム・メモリを消去する機能を搭載した。

さらに、アクセス制御、システム・メモリ保護、ペリフェラル分離のためのリソース・ドメイン・コントローラや、権限を持つ認証済みコードのみをデバイスで確実に動作させる内蔵セキュア・ブートとセキュアなOTA(over-the-air)プログラミングをサポートしている。

なお、K32W0x MCUプラットフォームは現在サンプル出荷中で、量産開始は2018年第3四半期後半が予定されている。