Armのエコシステムにおいては、2021年までにArmベースのチップの出荷個数は2000億個に到達すると予測されており、そうしたインターネット接続デバイスの増加に対し、同社では、製品のイノベーションと独自性の原動力となる多様性を損なわないことが求められると説明。PSAは、そうした点を意識して開発されたものだという。

PSAの主な特長は以下のとおり。

  • 代表的なIoTの脅威モデルとセキュリティ分析
  • セキュリティの主要原理に基づき作成された、ハードウェアとファームウェアのアーキテクチャ仕様により、エンドポイント機器の設計に関してベストプラクティスに基づいたアプローチを策定
  • Trusted Firmware-Mと呼ばれる、ファームウェア仕様のオープンソースのリファレンス実装

Trusted Firmware-Mは、IoTのエコシステムがPSAのメリットをより迅速に享受できることを目指したPSA仕様に準拠したオープンソースのリファレンス実装ファームウェア。当初の開発作業はArmv8-Mシステムを対象とし、ソースコードの公開は2018年前半を予定しているとする。また、PSAはOS非依存であり、市場で実績のあるArm Mbed OSの最新版をはじめ、ArmのRTOSおよびソフトウェアパートナー全社のサポートを得ることガできるという。

PSAは、デバイスからクラウドまでのあらゆるバリューチェーンにおいて共通化されたセキュアな基盤で設計されるための環境となる

なお同社は、セキュアなIoTソリューションの開発ツールをパートナーに提供するという、継続的な取り組みの一環として、セキュリティIPポートフォリオの新たな追加要素として、以下のような発表も行っている。

  • Arm TrustZone CryptoIsland:高集積セキュリティ・サブシステムの最新ファミリとして、スマートカードレベルのセキュリティをプロセッサ・ダイ上で提供。第一弾となるCryptoIsland-300は、LPWA通信、ストレージ、車載など、高水準の隔離状態とセキュリティが要求される用途を対象とする。
  • Arm CoreSight SDC-600 Secure Debug Channel:IoTの活用事例の進化に伴い、製品のライフサイクルを通じてデバッグ機能が必要なデバイスが増えていることを受け、SDC-600では、システムのセキュリティを犠牲にすることなく、デバッグアクセス専用の認証メカニズムを搭載することで完全なデバッグ機能を実現する。