京都大学 大学院情報学研究科の原田教授の研究グループは11月14日、ロームならびに日新システムズと共同で、IoT向け国際無線通信規格「Wi-SUN FAN(Field Area Network)」に対応した無線機の基礎開発に成功したと発表した。

Wi-SUN FANは、電気・ガス・水道のメータリングのほか、インフラストラクチャ、高度道路交通システムなど、スマートシティ、スマートグリッドを構築するさまざまなアプリケーションにおいて、相互運用可能な通信ネットワーク技術として期待される規格。今回開発された無線機は、日本で運用上必要となるIEEE 802.15.4/4g/4eに対応した物理層/MAC層の技術を中心に、6LowPANやIPv6などのIETF制定アダプテーション層/ネットワーク層/トランスポート層、RPLを用いたマルチホップ通信方式を統合した機能を搭載することで、アプリケーション開発の容易化なども実現しているという。

実際に、複数台によるマルチホップを利用したIP通信の実験にも成功したとのことで、3者は今後、Wi-SUNアライアンスが主催する相互接続性仕様検証イベントに参加し、Wi-SUN FAN規格の技術適合性・相互接続性認証仕様作成を補完していくとするほか、同無線機を仕様に完全準拠するための開発を進めていく予定としている。

今回開発された無線機の外観(右がアクセスポイント、左が端末)

マルチホップ実験の様子