Keysight Technologiesの日本法人であるキーサイト・テクノロジーは8月7日、統合段階および製造段階における大規模マルチチャネルフェーズドアレイアンテナの構成・評価向けに、マルチチャネルアンテナ校正システムを発表した。

同システムは、ハードウェア、ソフトウェア、技術知識などを包括的に提供するもので、測定速度の向上、アレイ間の位相コヒーレントを実現した多チャネル同時測定、リアルタイムデジタルデータ変換(DDC)によるデータ量の最適化を実現している。さらに、受信チャネル校正向けの多チャネルアンテナ校正テスト環境に迅速に統合することが可能となっている。

一方で、完全なフェーズドアレイアンテナは何千もの送受信モジュールから構成されることがあり、その校正には膨大な時間がかかることがある。その結果、製造コストの向上や製造スループットの低下などといった問題が生じることが考えられる。これに対し、同ソリューションでは、テスト時間を削減しつつ、多岐にわたる用途に応用可能な拡張性を実現している。

この他、5スロットのシャーシ1台で8~40チャネルのデジタイザを搭載できる。また、チャネル間で1度未満と非常に安定したコヒーレントチャネル、DDCありの場合300MHz、なしの場合600MHzという柔軟性の高い解析帯域、1秒あたり最大100万回の狭帯域測定を実現している。

なお、すでに販売を開始しており、価格は個別見積もりとなっている。

マルチチャネルアンテナ校正システム