日立ソリューションズは、インターネットから利用可能なGIS(地理情報システム)基盤環境を提供する「空間情報クラウドサービス」を、11月5日から開始すると発表した。サービスの対象は、GISを利用したクラウドサービスを行う事業者や自治体、イントラネットシステムを利用して組織内でGISを利用したい企業や自治体など。

同サービスは、サーバーやOSなどのクラウド基盤、地図コンテンツ(電子地図、航空写真、衛星画像など)、およびGISのAPIを提供し、利用者の要望に応じてカスタマイズ可能なGISを運用管理も含めワンストップで利用可能。これにより利用者は、地図や位置情報を活用した各種サービスを、ユーザーに対して短期間で提供。さらに、利用者はGISサービスの初期導入コストの低減や、地図コンテンツ更新などの運用負担軽減、GIS基盤上での効率的なソフトウェア開発を実現する。

「空間情報クラウドサービス」プラットフォームサービス

同社では1990年からGIS事業を手掛けてきており、その間、企業が蓄積してきた業務データを地図上に展開することで、業務データを可視化し、業務の効率化を図るエンタープライズ型地理情報システム「GeoMation」を開発。今回提供を開始するサービスは、これまでの「GeoMation」導入における経験と実績を基に顧客ニーズを反映したもの。

サービスの特長は、「クラウド基盤やGISエンジン、背景の地図コンテンツをサービス提供し、初期導入コストを低減」「用途に応じた地図コンテンツを提供し、運用サービスの管理負担を軽減」「GIS上のソフトウェア開発や他システム連携を支援するAPIを提供し、開発負担を軽減」「利用者の要望に応じたクラウド基盤にも対応可能」。

利用人数や契約期間に応じた課金方式のサービスのため、クラウド基盤やGISエンジン、背景の地図コンテンツを提供し、GISシステム構築の初期導入コストを軽減。地図コンテンツにおいては、ゼンリン、NTT空間情報などの地図コンテンツを利用者の用途に応じて選択することができ、地図コンテンツを同サービスが定期的に更新するため、利用者の管理負担が軽減される。

「空間情報クラウド」地図APIサービス

また、地図操作に関する基本機能のほか、地図上のデータを利用して演算や分析などを行う「空間解析」、スマートフォンやタブレット上でGISシステムを提供できる「Android連携」、既存システムと柔軟な連携を容易にする「他システム連携」、地図上のデータに対する「アクセスコントロール」など、利用者が使用できるさまざまな機能をAPIで提供。これにより、ソフトウェア開発やシステム連携の負担を軽減し、効率的な開発を支援する。

さらにクラウド基盤は、日立グループが提供する「SecureOnline」を標準としているが、AWSなどのパブリッククラウドから利用者が保持するプライベートクラウドまで、要望に応じたクラウド環境にも対応可能。

サービスの価格は、初期設定費用が42万円、10ユーザー利用金額が252万/年(SecureOnline、GISエンジン、ゼンリン地方詳細地図 関東地域 を前提とした価格)。