--:なるほど。次はぜひしんかい6500なんかも活用してほしいです。続きまして、また直球の質問なのですが、今回の作品の中で登場する生き物の中で、どれを気に入っていますか?

ブリッケル氏:シャコの1種で、「スピアーマンティスシュリンプ」が好きで、最高の生物だと思います。なぜかというと、あのサイズで、ものすごく早く動けることが1つです。また視力に関しても、現存する生き物の中では最高の視力を誇っています。この視力に関しては、確か日本の科学者の方が研究成果を発表していたと思います。とにかく獲物を捕らえる時の動きが素早くて、男子的発言ですが(笑)、これが一番気に入ってますね。

--:シャコの目は面白いですよね。地球上の生物とは思えません(笑)

ブリッケル氏:確かに、エイリアン的ですね(笑)。

--:ちなみにシャコは確か水槽を割ってしまうような破壊力を持っているものもいるとか

ブリッケル氏:今回収録したスピアーマンティスシュリンプは手が槍のように細くなっているタイプですが、手がコブシというかハンマーのようになっているタイプの「クラブマンティス」ですね。腕先が硬くてパワーがすごいから、水槽のガラスが薄いと割ってしまうこともありますね。でも、私が好きなのは、映像に登場する手が槍になっているスピアーマンティスシュリンプです。

--:ウミガメはどうですか?(画像17・18)

画像17。グリーン島で海藻を食べるアオウミガメを撮影している様子。(c) 2012 BBC Worldwide Ltd.

画像18。ゆったりと泳ぐアオウミガメ。(c) 2012 BBC Worldwide Ltd.

ブリッケル氏:好きですね。面白かったのは、今回、チームは女性のメンバーが多かったんですね。2人ほど専門家もいたのですが、みんなウミガメが好きでして、みんなが「ウミガメを撮影しましょうよ」というんですよ。

--:パッケージアートにもなっていますが、やっぱりみなさん好きなんですね

ブリッケル氏:ええ。でも、そんな中、私ひとりだけ「いや、シャコだ」とか「いや、カクレウオだ」(ウナギのような細長い体型の魚類)と、あまり愛されないのばかり主張して収録しました(笑)。私は無脊椎動物なんかも大好きなんですよね。とにかく、みんなに愛されないものばかりを撮ろうといっていました(笑)。

--:カクレウオがナマコのお尻の穴に数匹で入って隠れて暮らすシーン(画像19)は、さすがに観ていてうすら寒いものがありましたが(笑)、そのナマコそのものも気持ち悪かったですが(笑)

ブリッケル氏:ああいうのが好きなんですよ(笑)。

画像19。ナマコの肛門から顔を出すカクレウオ。ナマコには天敵がいないため、体内は安全地帯。(c) 2012 BBC Worldwide Ltd.