スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末、そしてWi-FiやLTEなど張り巡らされたネットワーク――これらは確かに便利だが、いつでもどこでもネットにアクセスできる環境は、同時に会社のメールから離れられないという状況も生んでいる。さらには、退勤後や週末も会社宛のメールに返事が来るだろうという推測や期待にもつながっている。

だが、面倒なメールになると手元の資料をチェックしたり、他のチームメンバーに問い合わせたりといったことが必要になる。残業代や時間外手当をもらっているわけではないとなると、おいそれと応じるのはためらわれる。社内、取引先、顧客とさまざまなメールがあるが、上司からの場合はどうすべきだろうか? Forbesの記事「時間外の上司からのメールへの対応法(原題 : How To Handle After-Hours Emails From The Boss)」を紹介する。

米国の調査では、上司から時間外に電子メールが来ると回答した人は36%。「休暇中でも」という人はほぼ10人に1人の9%、「週末にも」という人は6%いたという。

さっそくどう対応すべきかを考えよう。とはいえ、結論はケースバイケースだ。

判断の基準としては、メールの緊急性、自分の立場、周囲の対応の3つを考えるとよさそうだ。

緊急のメールには対応するのべきだろう。それほど緊急でもない場合はどうすべきか? まず、新入社員、その部署に移ったばかりの場合は応対しておいたほうが無難。これは、上司からの信頼にもつながるだろう。

どちらにも該当しない場合、周囲(チームや部署内の他の同僚)がどうしているのかを確認しよう。自分を含め複数に送られた上司のメールに対し、皆が回答している場合はそうすべきだ。そうでない場合は、数時間遅れての返事でもいいだろう。メールにすぐ反応する社風とそうでない社風とある。この辺りは「空気を読む」、あるいは「臨機応変」が要求されそうだ。

週末にも頻繁にメールが飛び交うような職場なら、週末にネットにつながらない場所に行く場合は、そのことを事前に連絡しておくのも手だ。そうすれば返事がないと上司が慌てることもない。

上司はどうすべきか? 記事では上司に対し、週末はなるべく部下にメールしない方がいいと助言している。メールの整理を週末にする場合は、ドラフトを保存して月曜の朝に送るなど配慮してはいかがだろう。

記事によると、時間を問わず業務メールが飛び交う状態は増えてきているが、上司が頻繁にメールを送ったところで部下の生産性がアップするかどうかは疑問なのだという。