Freescale Semiconductorは、加速度センサとマイコン技術の組み合わせにより、様々な機器の内部で増え続けるセンサコンテンツの追加、プログラミング、管理を容易にするインテリジェントセンサハブ「Xtrinsic FXLC95000CL」を発表した。

同製品は、加速度センサをオンボードで搭載しつつ、多数の外部センサを管理する機能を備えている。未加工データを単純に処理するのではなく、センサ情報の解釈、制御を行うことで、センサフュージョンアルゴリズムに必要とされる高度な演算処理を実行する。このため、システムレベルのスマートな判断を実現する理想的なプラットフォームとなっている。同製品により、基本的な3軸加速度センサシステムから、高度センサや周辺光センサ、温度センサ、湿度センサといった様々な機能を包括的に備えた9軸加速度計測ユニットまで、効率的な拡張が可能になる。この拡張性と統合性により、センサデータをローカルで処理できるため、ホストプロセッサの演算処理が軽減され、性能を高めつつ、システムの消費電力を削減することが可能となる。

オープンアーキテクチャを用いた、32ビットColdFire V1マイコンコアに、128KBフラッシュメモリ、6KB RAMを統合しており、統合開発環境(IDE)CodeWarriorをはじめとしたコード開発ツールスイートによって開発がサポートされている。

また、迅速な製品開発を支援するため、ソフトウェアライブラリスイートを用意しており、MQXオペレーティングシステムやハードウェア抽象化レイヤ、センサ管理ツール、その他、人気の電子コンパスソフトウェアなどの各種アプリケーションが提供される。さらに、オープンアーキテクチャのプログラマビリティとAPIのサポートにより、歩数計、衝撃イベントトラッカー、9軸加速度計測ユニット、コンテキストアウェアネスソリューション、機器方向検知ソリューションなど、様々なアプリケーションにおいて、多数のセンサを管理するインテリジェントなプラットフォームを迅速に開発できるという。

設定可能なダイナミックレンジは±2g/±4g/±8g。最大16ビットの分解能を持つ。シリアルインタフェースはI2CとSPIのマスタ/スレーブ接続をすべてサポートする。また、スリープ命令と低消費電力モードにより、ローカルレベルの節電を実現している。動作電圧は1.72V~3.6V、動作温度範囲は-40℃~+85℃。

なお、パッケージは、3mm×5mm×1mmサイズの24ピンLGA。価格は1万個購入時で2.20ドル。現在サンプル出荷中で、量産開始は2013年6月を予定している。開発ボード「KITFXLC95000EVM」は、すでに出荷を開始しており、参考価格は99ドル。