半導体ウェーハのダイシングソーやグラインダなど、"Kiru・Kezuru・Migaku(切る・削る・磨く)"工程向け装置で世界トップクラスのシェアを誇るディスコ。その競争力を支えているのはハードウェアだけではない。装置に組み込む制御ソフトウェアから、社内の基幹システム、さらには間接部門の業務改善ツールまで、あらゆるソフトウェアを自社で開発する内製文化が深く根づいている。
今回は、ディスコで活躍する3つの異なるフィールドのソフトエンジニア3名が集結。それぞれの働き方やディスコならではの開発のおもしろさ、そして、いつまでもコードを書き続けられるというキャリアの魅力について語り合ってもらった。
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左から、株式会社ディスコ 技術開発本部 ダイサー技術部 Y氏、株式会社ディスコ サポート本部 情報システム部 F氏、株式会社ディスコ 法務部 ITチーム T氏
装置OS、全社基幹システム、法務システム——3者3様の担当領域とキャリアの歩み
――まずは、皆さんの所属部署と現在の担当業務について教えてください。
Y氏:技術開発本部のダイサー技術部に所属しています。半導体ウェーハを切り分けるブレードダイサーという装置のソフトウェア設計・開発が主な業務で、ここ5年ほどは次世代の装置制御用OSを開発しています。2013年に新卒で入社して、現在の部署で10年以上働いています。
F氏:所属は、情報システム部の開発グループです。2007年に新卒入社して以来、一貫して社内の基幹システムの開発に携わっています。海外拠点のITインフラの運用・管理も担当しており、ドイツと米国、台湾、中国、韓国、シンガポールの6拠点と日々やり取りを行い、各国の法制や運用ルールに合わせてシステムの仕様を調整しています。
T氏:私は2019年に中途入社し、法務部のITチームに所属しています。現在チームには7名のエンジニアが在籍しており、バックオフィス部門内のITチームとしては社内でも規模が大きいです。主な業務は、法務部のメンバーが使う業務改善システムや、全社向けのWebシステム開発です。国内外から法務部に届く、年間1500件の膨大な契約チェック依頼を適切に管理・進行するための契約チェックシステムなどを開発しています。
――Tさんは前職もITエンジニアだったと伺いました。ディスコへ転職を決めた理由は何だったのでしょうか?
T氏:前職は技術派遣で、航空業界の業務改善アプリなどを作っていました。その経験から「社内ユーザーのためのシステムをもっと本格的に作りたい」と思うようになり、転職活動を始めました。そんなときに、ディスコの「法務部内のIT担当」という求人を見つけ、「これほどユーザーに近いポジションはないぞ!」と応募しました。
――Yさんは入社以来、ダイサー技術部一筋だそうですね。
Y氏:そうですね。ディスコでは、入社するとまず「アプリケーション大学」に所属し、社内のいろいろな部署を自分で訪ねて仕事をもらいながら配属先を探すのですが、今の部署を選んだ決め手は、業務内容よりも雰囲気でした。上司が「一緒にいろいろやってみようよ」と声をかけてくれて、ここなら自分に合いそうだなと。もともと「どこに行ってもある程度仕事は楽しめるだろう」くらいの感覚だったのですが、結果的にこの部署で働き続けています。
――Fさんも新卒入社ですが、最初から基幹システム開発を希望されていたのですか?

F氏:私の場合、まだアプリケーション大学の制度が始まる前で、本人の希望を聞きつつ、人財部が配属を決める時代だったのですが、研修を経て情報システム部に配属されました。プログラミングは未経験で、最初の半年間は外部研修に通ったものの、正直キャッチアップに苦労しました。そんなとき、基幹システムの担当者が海外赴任することになり、急きょ後任として現場に入ることに。わからないことだらけでしたが、先輩は私を諦めませんでした。「自分でやってみて、わからなかったら聞いて」というスタンスで根気強く向き合ってくれたのです。そのおかげで、とにかくソースコードを読んで質問して、1年半ほどかけて基幹システムの全体像をつかんでいきました。
ディスコの基幹システムの担当者には、開発スキルに加え、運用面の理解も求められます。英語力が評価され、海外拠点との窓口も任されるようになると、コミュニケーションを取りながら現場のルールを理解してシステムを改善していくおもしろさに気づき、自分に合った仕事なのかもしれないと思えるようになりました。
部署の垣根はゼロ。「Will」がもたらす自由な開発スタイル
――ディスコの大きな特徴として、社内通貨「Will」を使った独自の管理会計制度「個人Will会計」がありますよね。皆さんの業務では具体的にどのように用いているのでしょうか。
Y氏:ディスコでは、社内の仕事やリソースのすべてがWillという単位で価値換算されます。私は業務全体の7割ほどを自部署のダイサー技術部の仕事にあて、残りの3割は個人Will会計の仕組みを使って、他部署の製造現場から依頼された業務改善ツールの開発などを行っています。
――別の部署の仕事を、自分の裁量で受けられるのですね。
Y氏:はい。今月は自分のプロジェクトが忙しいからやめておこうとか、少し余裕があるから他部署のツールを作ってWillを稼ごうといったように、基本的に自分の判断で調整しています。OS開発のようなハードウェア寄りの開発と、ユーザーの目に触れる業務改善ツールの開発は対極にありますが、両方を経験することで互いの開発に良い影響を与えていると感じます。片方の知識だけに偏らず、エンジニアとして幅広くスキルを身につけられるのは大きなメリットです。
T氏:私は中途で入社したので、メール1通送るのにもWillが動くなど、すべての業務にWillが浸透していることに衝撃を受けました。ただ、この制度によって「このシステム開発、誰がやりたい?」とオークション形式で仕事が募集されるため、自分が挑戦したいものに主体的に手を挙げやすい環境になっています。
――開発スタイルとして、チームの垣根を越えたプロジェクトも多いと伺いました。
Y氏:多いですね。私が担当しているOS開発も、実は私のチームだけで作っているわけではありません。特殊仕様のソフトを作るチームや、基板設計を担当するチームなど、各チームから有志が集まってプロジェクトチームを組んで開発しています。所属チームはバラバラでも、一緒に1つのものを作る。しがらみがなく、非常に働きやすいです。
F氏:ディスコでは、部門をまたいで人と一緒に仕事をすることへの抵抗感がまったくないんですよね。むしろ「一緒にいいものを作っていこう」という空気があります。前向きなアイデアなら頭ごなしに否定されることはなく、「それ、おもしろそうだから手伝うよ」と、自分の業務で忙しいはずなのに手を出してしまう人もいるくらいです。
T氏:前職だと、部署をまたいだ仕事には「自分たちの領域を侵された」と反発が起きることもあったのですが、ディスコにはそれがありません。「DISCO VALUES」という企業理念が浸透していて、会社を良くするという目的が全社員で一致しているからこそ、同じ土台で前向きなディスカッションができるのだと思います。
外注管理ではなく、上流から下流まで自分たちで考えて作るおもしろさ
――ディスコでは、内製化を徹底されています。現場で感じる内製ならではの強みやおもしろさはどこにありますか?

T氏:法務部のシステムでいえば、作ったもののフィードバックが即座に来て、すぐに直せることですね。パッケージソフトを買ってきた場合、自社の特殊な運用に合わせるのは難しいですが、1から10まで自分たちで作っているので端から端まで自由に変更できます。法務担当者から「ここを少し直してほしい」と言われたら、翌日にはすぐに対応して驚かれることもあります。ユーザーと一緒にシステムを成長させていく感覚は本当に楽しいです。
F氏:情シスもスピード感が最大の強みです。外注だと、仕様変更に1カ月かかることもありますが、自分たちならすぐに修正できます。
また、私たちは現場を見に行くことを大切にしています。以前、シンガポールの拠点に新しい倉庫を立ち上げたのですが、誰も倉庫システムを作った経験がないなかで、シンガポールに2〜3カ月滞在して、現地の会計ルールやオペレーションに合わせたシステムをゼロから手探りで構築しました。一般的な企業の情シス担当者が「海外の現場に行ってきて」と言われることはなかなかないと思います。
Y氏:装置ソフト開発も同様です。現場のアプリケーションエンジニアに使ってもらって「こう変えたほうがいい」という声が出れば、すぐに自分たちで直せます。そして、他社と大きく違うのは、誰かに指示されて仕様書どおりに作るのではなく、自分たちでどんな技術を使って、どう実現するかをゼロから考えて作り始める点だと思います。作っている途中で「もっといいやり方がある」と気づいたら、すぐにそちらへ舵を切ります。
T氏:そうですね。システムを作るうえで、「この技術要素を採用しよう」「今のトレンドはこうだから、ここに取り入れてみよう」と自分たちで決められるのはエンジニアとして最高に楽しい瞬間です。
F氏:社内システムの開発でも、運用側から「なぜこういう仕様になっているの?」と聞かれて、開発側が理由や背景を説明することも多いです。依頼されたものを作るだけの受け身の姿勢ではなく、作り手が現場の業務を理解し、システムを通じて解決策を提示する。そこが内製化の醍醐味だと思います。
全員が"スーパープレイングマネージャー"。生涯コードを書き続けられるキャリアパス
――一般的な事業会社のエンジニアは、年次が上がると管理業務がメインになり、コードを書けなくなるという悩みをよく聞きます。ディスコのキャリアパスはいかがですか?
F氏:ディスコには"スーパープレイングマネージャー"しかいません。PCの前に座って管理業務だけをしているような人はいないですね。私のグループリーダーもいまだにコードを書いていますし、マネージャー層こそ新しい技術への探究心が強く、AIの最新動向などを常に把握して、業務で具体的にどう使っていこうか考えています。
T氏:私のチームには、50代で別の部署から異動してきて、「ITを勉強したい」と一から学び始め、もうすぐ定年という年齢でAIアプリケーションを作りあげた人がいます。年齢や年次に関係なく、本人が望めばずっとコードを書き続けられるし、会社もそれを歓迎する土壌があります。
――「挑戦したい」と手を挙げれば、任せてもらえる風土があるのですね。
T氏:はい。私自身も、全社のルールを一元化するシステムの開発依頼が来たとき、「難易度は高そうだけど、これを一人でやり切ったら絶対に成長できる」と思って手を挙げました。規模が大きくリリースまでに1年ほどかかりましたが、無事にやり遂げたのは大きな自信になりました。

Y氏:私が担当しているOS開発も、当初はまったくの未経験分野でした。入社8〜9年目のタイミングで自ら「やりたい」と手を挙げたものの、わからないことだらけで絶望しました。でも、新しいことを学べる楽しさが勝っていて、周りのサポートを受けながら挑戦し続けています。失敗してもそれを咎められることはありません。挑戦を後押ししてくれる空気が間違いなくあります。
自ら考え、創り出す。ディスコでソフトエンジニアとして働く魅力
――最後に、ディスコへの就職や転職を検討しているエンジニアや学生に向けて、メッセージをお願いします。
T氏:ディスコには、自分で考えて新しいものを作ったり、課題を解決したりすることが好きな人が集まっています。言われたとおりに作るのではなく、技術選定から参加して「どう作るか」を自分たちで決められる環境があります。主体的に動くことを楽しめるマインドを持っている方であれば、刺激を受けながらいきいきと働ける会社だと思います。
F氏:ディスコは、「もっとこうした方がいい」という提案を決して拒否せず、チャレンジさせてくれる会社です。結果が出なくても責められることはありません。もちろん、そのプロジェクトに使ったWillの収支は自分で立て直す必要はありますが、自由とセットで責任をもつ仕組みだからこそ、本気で挑戦できるのだと思います。技術が好きで、自由な環境で楽しくシステムを作りたい人にはこれ以上ない環境だと思います。
Y氏:学生の方に向けてお伝えしたいのは、プログラミング未経験でもまったく問題ないということです。Fさんもそうですが、文系出身でゼロからプログラミングを学び、一線で活躍しているソフトエンジニアがディスコにはたくさんいます。社会に出てから学ぶ時間の方が圧倒的に長いですし、ディスコにはそれを支援する環境と、挑戦できるチャンスがいくらでもあります。「やりたい」という強い思いがある方は、ぜひディスコというフィールドを選んでみてほしいです。
――ディスコならではの内製化のおもしろさと自由な挑戦のカルチャーがたっぷりと伝わってきました。本日は貴重なお話をありがとうございました。
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