米Facebookが広告管理プラットフォーム「Atlas」を米Microsoftから買収する。2月28日 (現地時間)に、FacebookがMicrosoftとの合意を発表した。買収完了後もAtlasは現在の本拠地である米シアトルを事業拠点とし、これに伴いFacebookはエンジニアリングおよび製品チームを置いているシアトルオフィスの増強を計画している。
Facebookのシアトルオフィス |
Atlasは、2007年にMicrosoftが約60億ドルで買収したaQuantiveの主要事業の1つだった。広告代理店やマーケティング担当者が広告キャンペーンを管理し、その効果を測定してROIを最大化するためのソリューションを提供する。
Atlasについては、昨年末ごろからMicrosoftとFacebookの交渉が報じられてきた。Atlas売却はMicrosoftのデジタル広告事業の縮小を意味するものではない。Microsoft Advertisingブログにおいて、MicrosoftのTom Phillips氏は「当社のデジタル広告事業のビジョンにフォーカスするため」と説明している。2007年にMicrosoftがaQuantiveを買収したのは、GoogleがDoubleClickを買収した直後だった。当時のMicrosoftは従来の広告市場とデジタル広告市場を結ぶ統合的な広告技術およびツールのプラットフォーム構築を目指していた。しかし近年、同社はデバイスとサービスに軸足を置く戦略を打ち出しており、Atlasのようなサードパーティの広告提供を支援する事業への投資は、その戦略に沿うものではなくなっていた。
Atlasは昨年6月から広告効果測定においてFacebookのパートナーになっており、Facebookによると、すでに数多くのマーケターがAtlasを採用している。同社は測定システムのバックエンドのスケーリング強化と、広告主向けツール(デスクトップ/モバイル)の拡充を通じて、Atlasの能力を引き上げる計画を打ち出している。また「最も効果的で、使いやすく、パワフルな広告配信・管理・測定プラットフォーム」を目指して、ユーザーインターフェイスや機能性の改善に取り組むという。