Hot Chips 24においてAMDは、Papermaster CTOの基調講演、低電力Jaguarコア、Radeon 7970 GPU、Trinity APUと計4件の発表を行った。すでに販売しているRadeon GPUは別であるが、3つの次世代プロセサコアを発表し、存在感を示した。

Papermaster氏の基調講演

Papermaster氏は「The Surronding Computing Era」と題する基調講演を行った。

基調講演を行うAMD CTOのMark Papermaster氏

「Surround Computing」は、サラウンドサウンドと同様に、周囲のどこにもコンピューティングが存在する世界という意味のPapermaster氏の造語である。

データサングラスのような小さなデバイスから部屋いっぱいのサイズまでの多種のコンピューティングプラットフォームが使われ、迫真的な画像出力や音声による入力などが主流になる。そして、コンピューティングングはユーザのニーズを推測して動作するようになるという。 そのためには、クライアント側のデバイスはナチュラルな人間とのコミュニケーション能力が必要であり、クラウド側のサーバはスマホやPCだけでなく、TVや車を含めて100億台のデバイスを同時に相手をする能力が要求される。

コンピューティングに取り巻かれる世界のイメージ(以降の図は、Hot Chips 24におけるAMDの発表スライドの抜粋)

このようなクライアントやサーバを実現するためには、ヘテロなエンジンが必要であり、AMDが提唱する「HSA(Heterogeneous System Architecture)」が進むべき道であるという。

HASを実現するのは汎用プロセサとGPUを1チップに集積したAPU

という話でビジョンを語る講演であった。しかし、これでは具体性に欠けるので、講演の後半ではAMDの次々世代のSteamrollerコアについて話したのであるが、順序として、まず、低電力のJaguarコア、そしてTrinityに使われる次世代のPiledriverコアについて述べ、Piledriverの次世代のSteamrollerはその後に述べることにしたい。