フォーティネットは、無線LANアクセスポイントとIPSec/SSL VPN、ウイルス対策などのUTM機能を1つの筺体に統合したアプライアンス「FortiWiFi-40C」および「FortiWiFi-60C」の日本での販売を開始した。同社ではこれまで、無線LANコントローラを搭載したUTM「FortiGate」を発売しているが、今回はさらに無線LANアクセスポイントも統合した。

左が「FortiWiFi-40C」、右が「FortiWiFi-60C」

「FortiWiFi-40C」は200Mbps、「FortiWiFi-60C」は1Gbpsのファイアウォールを搭載する。主にSOHOや大企業の拠点での利用を想定している。

「FortiWiFi-40C」の背面

参考価格は、「FortiWiFi-40C」が11万3,000円(初年度メーカ保守料込、2年目以降は1万4,000円)で、ウイルス対策、スパム対策、不正侵入検知/防御(IPS)などが利用できる初年度バンドルサービス込みの場合は、14万2,000円(2年目以降は4万3,000円)。

一方、「FortiWiFi-60C」は17万3,000円(初年度メーカ保守料込、2年目以降は2万2,000円)で、初年度バンドルサービス込みの場合は、22万7,000円(2年目以降は7万6,000円)。

インタフェースは、「FortiWiFi-40C」が10/100/1000 WANインタフェース×1、10/100/1000 DMZ/LANインタフェース×5、シリアル×1、USB×1。「FortiWiFi-60C」が10/100/1000 WANインタフェース×1、10/100/1000 DMZインタフェース×1、10/100/1000 LANインタフェース×5、シリアル×1、USB×1、Express Cardスロット×1。いずれも、対応無線LAN規格はIEEE802.11a/b/g/n。

また、FortiWiFiは、別のFortiWiFiを無線LAN子機(クライアントモード)として利用することが可能なほか、USBやExpress Cardスロットを使って、バックアップ回線として移動体通信サービスが利用できる。

クライアントモード

マーケティング プロダクトマネージメントディレクター 根岸正人氏

マーケティング プロダクトマネージメントディレクター 根岸正人氏は、「新製品の特徴を一言で表現するとすれば、Wi-Fiを統合したオールインワンアプライアンスだ。最近は、モバイルデバイスだけでなく、倉庫などのハンドセットや医療用デバイスもワイヤレス化され、業界が急速に無線化に動いている」と新商品発売の背景を説明。

さらに、企業ポリシーでスマートデバイスの利用を禁止されていても、使用したいと考えるユーザーは4割にのぼるという、同社独自の調査結果も公表。企業のセキュリティリスクが増大している点を指摘した。

職場で利用を禁止されていてもスマートデバイスを利用したいと考えるユーザーが多く、企業のリスクが増大していると根岸氏は指摘(フォーティネット調べ)

そのため、セキュリティを確保することが企業の大きな課題になっており、根岸氏はこの課題を解決する際に考えるべきポイントとして、スマートデバイス自体、VPN、ゲートウェイセキュリティ、無線LANアクセスからのトラフィックの4つを挙げた。そして同氏は、これらの課題を解決するのが今回の新製品だと説明した。

セキュアな無線LAN環境構築のための課題

新製品では、Wi-Fi機能、無線LANコントローラ、UTMセキュリティゲートウェイのほか、ユーザー数無制限のリモートアクセス「SSL-VPN」や証明書認証(OTP認証)機能も持ち、証明書を持ったデバイスだけを利用可能にすることも可能だという。

新製品の機能的な特徴

リモートアクセスでは、今回、iOSおよびAndroidに対応した新バージョンのFortiClientアプリをリリース。これらは無料で提供され、FortiGateアプライアンスにSSL VPNトンネルモードおよびIPSec VPNでの接続が可能になる。また、iOS版FortiClientは、WebモードのSSL VPN機能が追加された。

新バージョンのFortiClientアプリケーション

また、同社は今回、企業内設置用の無線LANアクセスポイントの新機種「FortiAP-221B」の発売開始も発表した。「FortiAP-221B」は、IEEE802.11a/b/g/nに対応しており、今回新たにDFS(Dynamic Frequency Selection)に対応した。参考価格は11万9,000円(初年度メーカ保守料込、2年目以降は1万5,000円)。

「FortiAP-221B」