東京国立博物館と凸版印刷は、東京国立博物館にて実施されている「実物展示」と「VR(ヴァーチャルリアリティー)作品の上映」に加え、新たに「文化財の複製に触れる体験」を組み合わせた鑑賞体験プログラムを3月3日から実施すると発表した。

制作された3体の複製。左から「みみずく土偶」「遮光器土偶」「ヤマネコ土偶」

触れることで文化財の魅力を体感

同館では以前より、両社が共同で開設した「TNM&TOPPAN ミュージアムシアター」にて、文化財や文化遺産をよりリアルに体験できるVR作品の上映を実施している。今年1月からは、土偶の微細な造形まであらゆる方向から鑑賞できる映像作品「DOGU 縄文人が込めたメッセージ」が公開されており、実物展示では味わえない鑑賞体験の提供がなされていた。

そして今回両社は、同館が所蔵する3体の土偶、通称「遮光器土偶」「みみずく土偶」「ヤマネコ土偶」の三次元計測データを活用し、精確な形状と実際の重さを再現した実物大の複製を制作。複製を利用することにより、これまで作品保護の観点から難しかった"手で触れての体験"が実現可能となった。両社は2007年より文化財の新たな公開方法を検証する共同プロジェクトを実施しており、今後もさらなる研究が続けられるという。