Freescale Semiconductorは、Power Architectureテクノロジをベースとする同社32ビット「Qorivva(コリーヴァ)」マイクロコントローラの「MPC56xxファミリ」に新たな製品を追加したことを発表した。
同ファミリの上位製品に位置付けられる「MPC564xB/C」は、暗号化サービス・エンジン(CSE)を搭載した車載マイコンであり、電子部品間の安全で確実な情報伝送を実行することが可能だ。
一方のエントリ・レベル品「MPC560xD」は、各自動車メーカーの電力要求に応えた低消費電力、小型のパッケージ・フットプリント、およびLIN、SPI、シングル・ノードのCANなどの多様な通信インタフェースを特長としたマイコンで、ドアやシートのアプリケーションのボディ制御の終端ノードとしての適用が想定されている。
次世代のセントラル・ボディ制御、ハイエンドのゲートウェイ、およびスマート・ジャンクション・ボックスを目的に開発されたMPC564xB/Cは、最大300DMIPSの性能を備えており、CPUの負担が大きいボディ・コントロール・モジュール/ゲートウェイ・アプリケーションで大量のコードを実行する場合などでの適用が想定されており、欧州自動車業界団体「HIS(Hersteller Initiative Software)」が2009年に発表した安全性ハードウェア強化(SHE)仕様に準拠する暗号化サービス・エンジンを実装している。
同暗号化サービス・エンジンは、暗号化キーの制御を従来のソフトウェアからハードウェア領域に移して、セキュリティ上のリスクを低下させることが可能。暗号化サービス・エンジン・モジュールを用いることで、セキュリティ・キーを不正な侵入から保護するとともに、信頼性のあるソフトウェア環境を構築して、配布されたキーの所有権を確保することが可能となる。
なお、MPC560xDは2011年第4四半期の量産開始、MPC564xB/Cは2012年第2四半期の量産開始をそれぞれ予定しているという。