FreeNAS is an embedded open source NAS distribution based on FreeBSD, supporting: CIFS, FTP, NFS, TFTP, AFP, RSYNC, Unison, iSCSI, UPnP, RAID, ZFS, encryption and S.M.A.R.T/email.

FreeNASの最新ベータ版となるFreeNAS 8 Betaが公開された。FreeNASはFreeBSDをベースに開発されたNASソリューション。ZFSなどさまざまなストレージ技術を活用した多種多様なNASを構築でき、Webブラウザから簡単に管理できるという特徴がある。FreeNAS 8 BetaはiXsystemsのもとで開発が実施された初のバージョンになる。FreeNAS 8 Betaにおける主な特徴は次の通り。

  • FreeBSD 8.1-RELEASEベースのNanoBSDへアップグレード
  • Python Djangoフレームワーク/DojoフレームワークベースのWeb GUIへ作り替え
  • システム設定をSQLiteデータベースへ一元化
  • Samba 3.5の非同期IOを有効化しパフォーマンスを向上
  • 起動メカニズムをrc.dメカニズムへ統合
  • ZFSに対応

これまでFreeNASで実現されてきた独自機能の多くがFreeBSDの提供しているデフォルトのメカニズムへ統合されている。これはFreeBSDのバージョンアップへ迅速に対応するため。今後はFreeBSDの新リリースに対して早いタイミングでFreeNASの最新版が公開される見通し。また、Web GUIやパッケージなどのモジュール化を進め、サードパーティがFreeNASを簡単に拡張して利用できるように作り替えられている。

FreeNAS 8 BetaはSourceForge.netからダウンロード可能。FreeNASのシステムをインストールするディスクはパーティションがすべて削除され、FreeNASが必要とするパーティションへ変更される。このディスクはストレージには使えない。このため、FreeNASのインストール先にはUSBメモリなどを採用し、ストレージ用のディスクとは分けることが推奨されている。たとえばFreeNASはUSBメモリへ、ストレージは2TBのHDDを8つ接続し、ZFSのRAID-Zとして利用する、など。

FreeNAS管理画面。Webインタフェースのデフォルトアカウントとパスワードはadmin:freenasに設定されている。

1.52TBのHDD 4つをZFS RAID-Zで構築した場合

FreeNASをインストールしたらまずはパスワードを変更する。コンソールからログインするアカウントは「root:freenas」に設定されており、Webインタフェースのアカウントは「admin:freenas」に設定されている。最初にどちらもパスワードを変更しておきたい。

LANにDHCPがあればDHCPでネットワークに接続される。コンソールでScreen Lockを押して、カーソールキーの↑↓またはPage Up、Page Downのキーで画面を上下させれば割り当てられているIPがわかるので、そのIPを指定してブラウザからアクセスする。アクセスしたらIPアドレスも最初に設定する。VLANの設定やスタティックルーティングもWebインタフェースから変更できる。

利用するサービスを選択

Windows向けファイル共有の設定例

Webインタフェースから実施した操作のいくつかはリアルタイムにFreeNASに適用される。従来のm0n0wallベースのGUIと異なり、Dojoベースの新しいWeb GUIは動作がスムーズでネイティブアプリケーションを操作しているように利用できる。必要な設定が終わったら一旦システムを再起動する。再起動もWeb GUIから操作できる。

インストール直後のFreeNAS。従来の仕組みと異なり、パスが抽象化されていること、メモリディスクが活用されていることなどを確認できる。/data/にはSQLiteの設定用データベースが格納されている。

ZFS RAID-Zで作成したデータストレージや、起動したサービスなどが動作していることを確認できる。

コンソールからFreeNASにログインすると、FreeBSD/NanoBSDの仕組みに則ってNASが構築されていることを確認できる。ベータ版であり必要な機能がまだ実装されていないところもあるが、NASソリューションを構築するシステムを試用する目的であれば現状でも有用。

アプライアンスタイプのNASソリューションは、廉価なものでは提供されている機能や搭載可能なディスクなどに制限がある。企業などで利用するエンタープライズレベルのNASアプライアンスになると、一気に価格が高騰する。FreeNASは高性能H/Wをベースにしても、既存のH/Wや組み込み機器をベースにしても動作し、PCをベースにて数十TBクラスの容量と高性能のNASソリューションを廉価に構築するためのソリューションとしても活用できる。