ということで
各セッションの内容を簡単に御紹介したが、全体を通して感じたのは製品ロードマップの変化である。
従来だと5~10年先のトレンドに必要なソリューションの方向性を示す、という形でロードマップを示していたが、今回はその期間が3~5年程度に短くなっており、かつ「今のRambusがもっている技術が今後3~5年の期間に最適である」事を訴える方向に変わってきたのは、やはり不景気もあって、短期的なトレンドへの対応の方が訴求力があるということだろうか。SCEIの不調や、IBMによるCellの方向転換などもあり、XDRを利用するアプリケーション数がどんどん減ってゆく傾向にある中で、もっと幅広いアプリケーションにXDR DRAMを採用して欲しいというRambusの意向が明確に判る内容のセミナーだった。
ところでRambusは2010年12月、GLT(Global Lighting Technologies)より光技術関連のテクノロジーや関連特許を入手しており、今回も会場でMicroLensを使ったLEDバックパネル用の導光板などを展示していた。
今の段階では、単にLEDバックライトの金額を下げられる(導光板を使う事で、少ない数のLEDで画面全体を均一にカバーできる)以上のソリューションでは無いのだが、これを今後どう同社のメインストリームビジネスに繋げてゆくのか、がちょっと興味あるところだ。RAMBUSは言うまでも無く高速アナログ電気信号のベンダであるが、昨今では次第に光信号を利用するためのコストが低下してきており、特に高速回路に関しては電気回路が光回路に置き換えられる日がそう遠くないと予測されている。こうした傾向をRambusが黙ってみているはずも無く、この分野への進出は必然と見られる。今回の買収もこれに関係していると見られるが、ただそれが具体的に製品なりTechnology Initiativeなりとして出てくるまでにどの位掛かるか、もまた興味ある部分である。