ラムバス代表取締役社長のEric Ries氏(95年より日本に赴任しており、今回も流暢な日本語で説明を行ってくれた)

Rambusは8月20日、都内にてDDRおよびXDRメモリ向け次世代メモリ技術を公開した。同社は、ゲーム/グラフィックス、PC、携帯機器、HDTV/コンシューマ機器の4つの分野に注力しており、今回の説明は、この内携帯機器を除いたPC、ゲーム/グラフィックス、HDTV/コンシューマ機器向けメモリ技術の説明となる。

同社の日本法人であるラムバス代表取締役社長のEric Ries氏は、「中でも日本で注力するのはゲーム、そしてHDTVとコンシューマ機器だ。すでにコンシューマ機器としてプロジェクタなどに当社の技術は浸透している」と説明する。

Rambusフォーカスする4つの市場

DDR3以降のPC向けメモリ向け技術への要求課題

RambusのStrategic Development,DirectorであるMichael T Ching氏

DDRおよびXDR向けメモリ技術の説明は、本社のStrategic Development,DirectorのMichael T Ching氏が担当。DDR向けメモリ技術については、「Beyond DDR3」と題して説明を行った。

このBeyond DDR3、日本語に直訳すれば"DDR3を超えて"といったところだが、今回公開した技術は「DDR4やDDR5といった2011年以降に本格的に登場すると見込まれるメモリに対して導入を働きかけていく」(Ching氏)としている。

具体的な技術としては、その時代に要求される性能を検討、「第1の問題として、"single-ended signaling(すべての制御信号/データ信号が共通のグラウンドからの電位差で表される電気信号技術)"をいかに効率良くして低消費電力化を図るか、ということを考えた」(同)とすることに加え、メモリのスループット向上、高容量化と既存のDRAM製造プロセス技術によるコスト低減の両立を図る必要もあったとする。

こうした検討をするに至った背景として、同氏はPC/サーバのトレンドとして、プロセッサ性能の向上とエコロジーという観点からの低消費電力化があると説明する。プロセッサの性能向上というのは、なにもマルチコア化だけではなく、「CPUとGPUの統合や、仮想化、GPUコンピューティングのような分野の登場なども含まれており、将来的にはクラウドコンピューティング上でもCPUがフル稼働するような状況となれば、メモリにも相応のパフォーマンスが要求されることとなる」(同)と語る。

また、その一方、ノートPC市場の拡大、Netbookの登場のように、PCを携帯して持ち歩き、1日中バッテリ1つで使いたいという需要の変化が出てきているほか、デスクトップPCでもTCOおよび熱設計の観点から電力を下げる要求が出てきているとしており、「例えば米ワシントン州にあるGoogleのサーバファームは100MWの電力を消費するが、こうした施設の電力を下げるためにもメモリの電力を下げる必要がある」(同)と語る。

コンピュータにおける2つのトレンド(右下の写真がGoogleのサーバファーム)