エネルギー効率のランキングGreen 500

Top500がLinpackの性能によるランキングであるのに対して、Green 500は消費電力あたりのLinpackの計算性能によるランキングとなっている。SC08において、Green 500のBoFが開催され、次のように、第4回のGreen 500リストが発表された。

この表に見られるように、1位から7位までが、IBMのQS22とLS21のクラスタであり、Top500で首位のRoadrunnerは、エネルギー効率では7位にランキングされている。また、8位以降にはすべてBlue Gene/P並んでおり、上位には、同じ計算ノードを使うシステムが、ほぼ規模と逆の順に並んでいる。

このように、Linpackを実行するエネルギー効率の良い計算ノードができると、それを使うシステムがランキングで連続しまう。また、システム規模を大きくすると性能の増加はリニアではなく、それより低下する傾向にあるので、同じ計算ノードを使うシステムの場合、規模の小さなシステムの方がエネルギー効率は良くなる。このため、QS22/LS21のクラスタでは、最大規模のRoadrunnerが最下位の7位で、エネルギー効率のランキングは(おおよそ)規模に逆比例することになる。

また、消費電力といってもメガワットクラスのシステムの消費電力をクランプオンの電流計で測るわけには行かず、カタログ値が使われるので、同一ランクのシステムが多数できてしまう。

ということで、Green 500のBoFでは、そもそもLinpack実行時の性能と消費電力の比でランキングすべきか?、システム規模の影響をどう考えるか?、現在はTop500に入ったシステムだけを対象としているが、これで良いのか?、電力を実測するにはどうすれば良いのか?、などGreen 500のランキング方法自体に関して白熱した議論が行われた。

Green 500は、まだ、新しいランキングであり、これらの議論を通じて、より良い、エネルギー効率のランキング方法を作り上げようとしている。