性能を競うチャレンジ

SCでは、チャレンジという性能を競う4種の競技が行われる。

「Analytic Challenge」は、計算から可視化までの処理の過程での性能を競うもので、遺伝子データをインタラクティブに検索する手法に関する「Interactive HPC-driven Visual Analysis of Multiple Genome Datasets」というPNNL(Pacific Northwest National Laboratory)のChristopher Oehmen氏らのチームのソリューションが受賞した。

「Bandwidth Challenge」は通信のバンド幅を競うもので、イリノイ大シカゴ校のRobert Grossman氏らのチームの「Towards Global Scale Cloud Computing: Using Sector and Sphere on the Open Cloud Testbed」が受賞した。

「HPC Storage Challenge」は、ストレージを上手く使って性能を出すアプリケーションを競うもので、Johns Hopkins大、Microsoftなどのチームの「GrayWulf: Scalable Clustered Architecture for Data Intensive Computing」が受賞した。GrayWulfシステムは、従来のクラスタに比べてI/Oと演算のバランスを1桁程度改善したという。

そして、もう1つのチャレンジは、昨年から開始された「Cluster Challenge」である。Cluster Challengeは、総電源容量が26A(@110V)以内の機器を使い、6人以下のチームメンバで、実用的なプログラムに対して実現できる最大性能、Linpackベンチマークの性能とクラスタアーキテクチャの良さを競う。

今回は、インディアナ大とドレスデン工科大の連合チーム、アルバータ大、アリゾナ州立大、コロラド大、国立清華大(台湾)、マサチューセッツ工科大、パデュー大の7チームが出場した。会場の一隅に設けられた場所で、会期の間にシステムを構成してチューニングを行う必要があり、学生たちは徹夜の作業となったりする。

Cluster Challengeの国立清華大(左)とインディアナ大-ドレスデン工科大(右)のピット風景

昨年度のチャレンジではLinpackの最大性能は420GFlopsであったが、今年は、国立清華大が703GFlopsを出しLinpackではトップに立ち、パデュー大が696GFlopsでそれに続いた。しかし、最終的に実アプリの性能とアーキテクチャを含めた判定では、インディアナ大、ドレスデン工科大、IBM(機器提供)の連合チームが優勝した。

優勝したインディアナ大-ドレスデン工科大-IBMチームの表彰