NECはSC07の直前に発表したSX9を中心に展示しており、正面に1ノードのSX9筐体、そしてCPUとメモリボードを展示していた。

NECのSX9(左)Xが光って美しい外観。(右上)CPUチップとモジュール。(右下)メモリモジュール。

SX8と比較すると、ベクトル機構の乗算と加算パイプを倍増し、さらにクロックを2.2GHzから3.2GHzに引き上げてCPUあたりピーク性能は102.4GFlopsと3倍近く向上し、写真の筐体1本で1.6TFlopsの性能を持つ。また、ピークFlopsが大幅に向上しただけでなく、それに加えてメモリバンド幅を2B/Flopから2.5B/Flopに引き上げている。この結果、CPUチップのメモリバンド幅は256GB/sという驚異的な数字になっている。しかし、その結果、メモリと接続するためのI/O回路の面積が大きくなっており、チップ全体の4割程度が高速I/Oマクロで占められている。また、メモリモジュールも全DRAMチップから並列にデータを読み出すための専用のコントローラLSIを載せた専用のメモリモジュールを使っている。CPUとメモリモジュールの間の信号伝送は電気信号である。製品発表時のカタログ写真では比較する対象が無く大きさが分からなかったが、実物を見るとかなり大きな筐体で、高さは185cmと言っていた。また、ノード筐体間は光ファイバ接続になっているという。

SGIは今回のTop500で3位となったNMCAC(New Mexico Computing Applications Center)のシステムに採用されているAltix ICE8200を展示していた。このマシンはクワッドコアXeonを使っており、筐体あたり最大512コアを収容する。写真に見られるように排気側に水冷の熱交換器を設け、コンピュータ室内の冷房の負荷を軽減している。IBMのp 575は、一次冷却水はクローズドループとした水冷であるが、このシステムは計算機室に供給される冷水を直接熱交換器に流しているという。なお、背面の写真に見られる巨大なコネクタのついたケーブルは3相の交流電源供給用である。

Altix ICE 8200の前面と背面。