評価ボードを用いたDRPの開発手順

ここからは、DRPを実際に使ってみるにはどうしたら良いかについて、大まかな手順を説明していきます。

評価ボードと統合開発環境

DRPをすぐにでも試しに使ってみたいという人のために、DAPDNA-2とDAPDNA-IMXともに評価ボードも用意しています。それから、ソフトウェア開発のための統合開発環境「DAPDNA-FW II」もあります。これはアルゴリズム開発からDRP上で動作させた場合の検証までの全開発を行うためのツールセットです。プログラミングのためのGUIを用いたインタフェースや、データの流れを高級言語により記述してコンパイルする機能、DNAの配置配線機能(構成を変えるための機能)、実機デバッグ機能なども含んでいます。

それでは、実際にDRPを使ってみましょう。ここでは、手軽にDRPの評価を行える評価ボードを利用することにしました。画像処理用のDRPであるDAPDNA-IMXを搭載した評価ボード「DAPDNA-EB6」と、ソフトウェア開発のための統合開発環境「DAPDNA-FW II v3.2」を使い、JPEGのCODEC処理を行ってみました。

DAPDNA-IMXを搭載した評価ボード「DAPDNA-EB6」

開発環境を構築

まず開発環境を構築します。パソコン(開発ホスト)に統合開発環境をインストールします。それからパソコンと評価ボード(ターゲット)を接続し、データの入出力が行えるようにします。接続にはPCIやPCI Expressが利用できます。今回はパソコンと評価ボードを使いましたが、ダイレクトI/Oチャネルを使えばパソコン以外の機器と評価ボードの間でデータをやり取りすることも可能です。

プログラミングとコンフィギュレーション

ここでは大まかな開発手順を見るため、統合開発環境によるアルゴリズム開発やプログラミングの過程は省略します。最初にDRPを使う際には、まずはこの過程を省略し、サンプルプログラムを利用すると良いでしょう。

プログラムの主要部分であるDNAの動作を定義する設定(これをコンフィギュレーションという)は、下図のように示されます。

これは、各クロックサイクルにおいて、それぞれのPEでどのような演算を行うかということと、演算の依存関係を示すPE間の接続をどう設定するかということを、グラフィカルに示したものです。

このコンフィギュレーションは、ハードウェアのことをある程度知った技術者が直接記述したものを用いました。また、「DFC言語」というC言語に似た独自の高級言語から、DFCコンパイラというツールを使ってコンフィギュレーションを生成することも可能です。