米Freescale Semiconductorは、「Flexis」シリーズから8ビットマイコン「MC9S08QE128」と32ビットマイコン「MCF51QE128」を発表した。この2つのマイコンは、ピン配置において互換性を備えており、共通の周辺回路や開発ツールを利用できる。

今回発表になった32ビットマイコン「MCF51QE128」は、マイコンコアに「ColdFire V1」を採用している。このコアは、同社の68000(68K)アーキテクチャを継承したものである。同社の8ビットコアである「S08」とピン互換性を備え、周辺回路や開発ツールを共通化できるように設計している。これにより、8ビット品の設計者が32ビット品への移行を容易にできるようにすることや、ローエンド製品からハイエンド製品までの開発を1つの基本設計を元にして行えるようにすることなどが狙い。

なお、同社ではビット区分を超えたマイコン製品のロードマップを「Controller Continuum」として発表しており、今後も互換性を確保したローエンドからハイエンドまでの製品を発表していく。

今回、MCF51QE128と同時に発表された8ビットマイコン「MC9S08QE128」は、このColdFire V1とピン互換性を備えたコアであるS08を採用している。

MC9S08QE128およびMCF51QE128の動作周波数は最大50MHz、バス部分は最大25MHzで動作する。内蔵メモリとしては、128kバイトのフラッシュメモリと最大8kバイトのRAMを備えている。そのほか、24チャネルの12ビットA-Dコンバータ、PWM回路、最大70本のGPIOなどを搭載している。

動作電圧は1.8~3.6V、動作温度範囲は-40~85℃。パッケージは80ピンのLQFPと64ピンのLQFPを用意している。また開発ツールには、同社の「CodeWarrior for Microcontrollers 6.0」などを利用できる。

本年(2007年)7月よりサンプル出荷を開始する。量産出荷の開始時期は同年11月を予定している。1万個購入時の1個あたりの参考価格は、128kバイトのフラッシュメモリを搭載しておりパッケージに64ピンLQFPを採用した製品の場合、MC9S08QE128が3.59ドル、MCF51QE128が3.80ドル。また、評価ボード「EVBQE128」(参考価格は325ドル)と、デモンストレーションボード「DEMOQE128」(99ドル)も用意している。