メジャーアップデートの変更点 スポットライトとアクションセンター編
Windows 10開発当時、ロック画面をユーザーの嗜好に応じてランダムに切り替え、アプリケーションや機能のリコメンド機能を提供する「Windowsスポットライト」に注目が集まった。しかし、フタを開けてみると同機能を備えるのはHomeエディションのみ。Microsoftは「ビジネスユーザーが多いProエディションにはそぐわない」と理由を説明していた。
しかし、ビルド10547で突如その機能を復活させている。「設定」の「パーソナル設定\ロック画面」に並ぶ「背景」のドロップダウンリストに「Windowsスポットライト」が加わり、同機能が使用可能になったのだ。
だが、その動作は微妙と言わざるを得ない。サインイン前のロック画面は設定を切り替える前に選択した画像に固定されるからだ。この動作はHomeエディションも同じため、仕様的な問題とは言えない。しかし、Windowsスポットライトで描かれる美しい風景写真を目にするのは、離席時やスリープ時にロックを実行し、解除する場面に限られる。実際に筆者は多彩な写真を目にする場面は少ない。
具体的な動作を検証した訳ではないが、察するにMicrosoftアカウントと紐付けした個人データに画像の好みを格納するため、サインイン前にWindowsスポットライトが動作しないのだろう。それでも前述のような理由で、今後の改善をMicrosoftに求めたい。
ロック画面に関しては、<サインイン画面にWindowsの背景画像を表示する>という項目が加わっている。文字どおりサインイン画面に描かれる背景画像のオン/オフを切り替えるというものだ。スイッチをオフにすると、「色」で選択したアクセントカラーが用いられるが、個人的にはあまりメリットを感じなかった。
アクションセンターにも僅かな変化が確認できる。以前は[Win]+[P]キーで呼び出していたマルチディスプレイ設定だが、クイックアクションに「表示」が加わり、クリックやタップ操作で呼び出しが可能になった。なお、ワイヤレスディスプレイへの接続もこちらから実行する。
このような仕様変更が加わったのは、Windows 10 Mobileで実現可能になるContinuumの影響が大きいだろう。Windows 10 Mobile Insider Preview ビルド10581のアクションセンターに「表示」は用意されていないが、Continuum対応デバイスで動かした場合、同様の操作で実現可能になるのではないかと思われる。
デスクトップ周りで言えば、アクティブウィンドウのタスクバー部分の背景色にアクセントカラーが適用可能なった点が大きい。「設定」の「パーソナル設定\色」の<スタート、タスクバー、アクションセンターに色を付ける>を<スタート、タスクバー、アクションセンター、タイトルバーに色を付ける>に改称し、前述の設定変更が可能になった。この点はかなり不評だったのか、Windows 10無償アップグレード後に初めてリリースされたビルド10525で改善が加わっている。さらにビルド10565でも微調整が行われた。
項目名どおりスタートメニューやタスクバーの基調色もアクセントカラーになるため、違和感を覚えるかもしれないが、ひと目でアクティブウィンドウが確認できるメリットは大きい。多くのWindows 10ユーザーには、同設定の有効化をお薦めする。
なお、「フォルダーのオプション」から「エクスプローラーのオプション」に改称した同ダイアログだが、エクスプローラーから起動すると古い名称になるバグは今回も直されていない。察するにWindows開発陣の優先順位が低いためだろうが、個人的には僅かな違和感を覚えてしまう。