愛用する腕時計を手がかりに"人生の時"を語ってもらうインタビュー連載『夢を刻む、芸人の時計』。テレビでおなじみのあの芸人は、どんな若手時代を過ごし、ブレイクの瞬間を迎え、どうやって未来を刻んでいくのだろうか? そのストーリーに迫る。
本稿で話を聞いたのは、お笑いトリオパンサーの尾形貴弘さん。1977年4月27日生まれ、宮城県東松島市出身で、NSC東京校の8期生。2008年に菅良太郎さんと向井慧さんとパンサーを結成した。
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初舞台は「激スベリ」、辞めてラーメン屋になろうとしたことも
――人生で初めて購入した時計は覚えていますか?
高校1年生の時にサッカーでドイツ遠征に1カ月ぐらい行っていて、その時にドイツで初めて自分でスウォッチを買いました。確か3,000円ぐらいだったと思います。セールだったのかわからないですが、安いこともあって、友達みんなと一緒に買ったのが最初です。その次はG-SHOCKを買いました。
僕は黄色いスピードモデルのG-SHOCKをずっとつけていたんですが、高校3年生の時に盗まれてしまって...。今は色展開もたくさんあるかもしれないですが、当時は黄色のG-SHOCKってあんまりなかったので、ショックでした。
――高校卒業後はサッカーで中央大学に進学されていますが、どんな大学生活でしたか?
サッカーに挫折して、遊びに走っていたギャル男時代ですね。当時、ギャル男が流行っていて、僕もがっつりストリート系で東京にかぶれていました。やっぱり周りがみんな、ロン毛にスラックス、シャツにカーディガンにgoro’sのアクセサリーって感じだったので、一時期はそんな学生生活でした。
――その頃は、どんな時計をつけていたんですか?
オメガのスピードマスターで、当時の現行モデルです。その頃でもウン10万円くらいした高級時計ですが、僕はたまたまパチンコで大勝ちした時に勢いで買えました。でも結局、その時計はパチンコで負けてお金がなくなったから、すぐに質屋に持って行って手放してしまいましたけど。
――そんな時代を経て、芸人を志したわけですが、初めて舞台に立った時のことは覚えていますか?
舞台に立ったのは1年目なので24歳の時です。その頃はまだパンサーではなく別のコンビでしたが、激スベりでしたね。もう、うんともすんとも言わずに、俺らだけが喋っているみたいな感じ。ウケたイメージはありません。順位がつくライブでは最下位のイメージでしたし、全くいい印象はないですね。
――当時のネタを今思い返してみるとどんな印象でしょうか?
かなりひどいと思います。だってその頃の僕はお笑いなんてわかってなかったし、今もわかっていないんですから。完成度はもう本当にただの遊びレベルで、今思い返せばとてもお客さんに見せられるような状態まで仕上がっていなかったですね。
――そんな状況でも芸人を辞めようとは考えなかったんですか?
考えましたよ。初舞台に立った時のコンビを解散してピン芸人になったんですが、仕事が全くない状況が続きました。その時は漠然と仙台でラーメン屋をやろうって思って、もう辞めるつもりでしたね。
でも、ちょうど辞めよう、辞めようと思っている時に、お世話になっている先輩がライブに呼んでくれたんです。多分、僕のことを心配してくれたんだと思いますが、そのライブでも先輩が僕のことを気にかけてくれたこともあって、それじゃあもうちょっとやってみようかって続けられた感じです。
――これまでに時間が止まってほしい、もしくは早く過ぎてほしいと感じた瞬間はありますか?
早く過ぎてほしいと思ったのは、やっぱり高校の時ですね。特に高校1年生の頃は、昔の体育会系なので先輩後輩の関係もとんでもなかったし、練習もきつかったので、その頃にだけは本当に戻りたくないです。ただ、それがあったから根性がついたという面もあると思っています。
「時が止まってほしい」は、芸人になってからずっと思っています。年を取りたくないというか、年齢のことを言われるのが本当嫌なんです。僕は、ずっと若手でやりたいんです。だから24歳の頃の気持ちで止まっていて、やっていることも変わっていません。
G-SHOCK スピードモデルは「過酷なロケを一緒に耐えた戦友」
――尾形さんにとって時計ってどんな存在になりますか?
かっこいい、おしゃれなものというなイメージはありますね。やっぱり時計って男のロマンみたいなところがあるじゃないですか。お金もないんで高級モデルを何本も持っているわけじゃないし、そこまで詳しいわけでもないんですが、時計が好きです。
――出かける時など、常に何かしらの時計を着けている感じですか?
基本は絶対に時計をします。僕は時間をスマートフォンで見ることはせず、時計で見るから欠かせません。それに、これは自己満足かもしれませんが、時計をしていた方が絶対かっこいいですよね。
――本日は時計を3本お持ちいただきましたが、それぞれどういった時計でしょうか?
tokito army Watchちゃんは、野性爆弾のくっきー!さんとYouTubeで大食い対決をして勝ったときに、ヴィンテージのジーパンと一緒にいただきました。くっきー!さんがヨシダトレードカンパニーさんと協力して作られたオリジナル時計で、「ぶてぃっく紫歯茎」で限定販売されたモデルです。ちょっと軍モノっぽいところが気にいっています。
オメガ スピードマスターは昔のヴィンテージで、俳優の谷原章介さんにいただきました。共演していた番組の卒業がたまたま一緒のタイミングだったんですが、その時にいただいて、それからずっと大切に使っています。時計好きの人から「いいの着けてんじゃん」って言われることも多いし、僕の中でもめっちゃ気に入っています。
僕の場合、結構危険なロケも多いので、丈夫な時計が欠かせません。やっぱり、丈夫な時計と言ったら「G-SHOCK」じゃないですか。シンプルで何にでも合うし、特にG-SHOCK スピードモデルは、映画『スピード』でキアヌ・リーブスがつけていた姿への憧れもあって1番好きなモデルです。それに、1回買ってしまえば、ぶつけても壊れないから一生使えるところはいいですね。
――時計の使い分けはどうしていますか?
その日の気分とかで選んでいますが、ロケの時はG-SHOCK スピードモデル一択です。
以前、そんなに危ないロケとは思わずに、オメガのスピードマスターをつけていったら壊れてしまったことがありました。修理しましたが、修理代もかかるし、何よりショックがデカくて。
G-SHOCKのスピードモデルは、泥んこになったり、ペンキがついたりしたこともあるし、特に手入れもしていないんですが本当に壊れないですね。本当に過酷なロケを一緒に耐えてきた戦友みたいな時計です。





