- 本社から駆け付けたSクラス開発責任者はこう語る…顧客が求めているのは内燃機関
- 1:新型「Sクラス」のパワートレインを確認
- 2:エンジンとスイス製機械式腕時計の共通点
- 3:電気もエンジンもやっているのがメルセデスの強み
メルセデス・ベンツ日本が新型「Sクラス」を発売した。搭載するのはディーゼルとガソリンのエンジン2種類。一時期は電動化にかなり積極的な姿勢を示していたメルセデスのフラッグシップモデルは、なぜ電気自動車(EV)にならないのか。
新型「Sクラス」の写真を一気に見る
エンジン愛好家とロレックス愛好家は話が合いそう
新型「Sクラス」が搭載するパワートレインは、新型直列6気筒クリーンディーゼルエンジン「OM 656 Evo」とV型8気筒ガソリンエンジン「M177 Evo」の2種類。どちらも17kWの「インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター」(ISG)を搭載しているので、エンジンだけで走る純粋な内燃機関搭載車というよりもマイルドハイブリッド車(MHEV)のようなクルマなのだが、依然として駆動の主役をガソリン/軽油とエンジンが担っているのは確かだ。
ちなみに、ほかの国ではプラグインハイブリッド車(PHEV)のSクラスも販売しているそうだが、今のところ、日本に導入するというアナウンスはない。
なぜSクラスはEV化しないのか。新型の発表会に合わせて来日したSクラス開発責任者のフランク・ヴンドラックさんは「我々はいまだに、未来はフルエレクトリックだと考えていますが、問題は『未来とはいつなのか?』ということです」とし、「今のところ、我々のお客様は内燃機関エンジンを求めています。それが現状です」(Our customers still ask for combustion engines. That's just the way it is.)と語った。
なぜメルセデス・ベンツのお客さんは内燃機関が好きなのか。内燃機関の魅力とは何か。ヴンドラックさんは内燃機関について、「より複雑で、高度なエンジニアリングがあって、少し、スイスの機械式時計のような、ロレックスとかIWCのような」ものであり、そのあたりを多くのカスタマーが評価している、といったようなことを話していた。EVがスマートウォッチなら、エンジン車は高級機械式腕時計。クルマ好きからすると、こんな違いを感じるのかもしれない。
全て持っているのがメルセデス・ベンツの強み、というのがヴンドラックさんの考え。EVが欲しい人にはEVを提供できるし、内燃機関が好きな人には今回のSクラスのようなクルマを提案できる。同社には「EVのSクラス」とでもいうべき「EQS」というクルマがあるが、「私は(SクラスとEQSの)どちらも好きですし、どちらにもそれぞれのアドバンテージがあります」とヴンドラックさんは話していた。






