日産自動車の新型「エルグランド」とトヨタ自動車「アルファード」を比べてみると、フロントマスクやサイドパネルなどの要素にデザインの方向性の違いが表れていることがよくわかる。今回は両モデルのデザインを比較してみたい。
新型エルグランドと現行型アルファードの写真を一気に見る
大型化したエルグランドは堂々としつつもクリーンな佇まい
新型エルグランドのデザインコンセプトは「The private MAGLEV」(MAGLEVはリニアモーターカーのこと)。撮影したのは真っ白な「プリズムホワイト」のボディカラーを身にまとった個体だ。眺めていると、確かにハイスピードでありながら静かでスムーズに走る「リニアモーターカー」を彷彿させる。
ボディサイズは全長4,995mm、全幅1,895mm、全高1,975mmで、先代モデルより30mm長く45mm広く160mmも高くなっている。かなり大きな車体だ。日産の国内フラッグシップモデルにふさわしい堂々感や強さを伝えることで、ライバルのアルファードに引けを取らない存在感が発揮できていることがわかる。
日本の伝統工芸である「組子」をモチーフにしたというフロントグリルのデザインは、「ノート」や「アリア」にも共通するデザインランゲージである「タイムレスジャパニーズフューチャリズム」を具現化。精緻で知的な高級感を演出した。
細かなドットを並べたグリルは、開口部と非開口部を最適配分して空力と冷却のバランスをとった。その両端に配置したライト部と継ぎ目のない一体感がデザイン上の見どころといえる。
同様のドットデザインは、軽量化を追求したというアルミホイールの緻密なデザインにも投入されている。広いサイドパネルの面構成には日本庭園の考え方を取り入れたといい、それが「くの字」型に切り立ったリアエンドにつながっている。
これまでの「箱型」というイメージから脱却した未来的なフォルムは、かつては多くのミニバンで見られた「ギラギラした威圧感」とは一線を画していて、全体としてシンプルかつクリーンな点が特徴だといえる。
アルファードは顔で語る
一方のアルファード(現行型、通算4代目)は、歴代モデルが築き上げてきた豪華絢爛な“顔”が特徴だ。
2代目にモデルチェンジする際に兄弟車として登場した「ヴェルファイア」の顔は「オラオラ系」と呼ばれた。3代目アルファードでは、グリルがフロントバンパー最下部まで突き抜けた巨大なグリルを採用。このように、アル/ヴェルの歴代モデルは“顔”が注目を集めたクルマだった。最新型では超豪華メッキグリルの面積と輝きがさらに増し、誰が見てもすぐにアルファードだとわかる存在感を発揮している。
登場時にはギョッとさせた佇まいも、時間と共に当たり前になってきた。たくさん売れていて、街でよく見かけるから当然だ。利用する政治家や芸能人、企業のVIPにとっても、それが居心地のいいデザインなのだろうし、求められた結果としてのデザインともいえるのだ。
サイドパネルはプレスラインに筋肉質な要素を盛り込んだ、高級セダンのような力強さと品格を与えることに成功している。
あえて両方のネガな点を指摘すると、エルグランドのドット柄は一部の集合体恐怖症の方にとって、またアルファードのギラギラ顔はオラオラ系が苦手な方にとって、「ちょっとね」ということにもなりかねない、という気もする。











































