16年ぶりに新型が登場する日産自動車のラージサイズミニバン「エルグランド」。プロトタイプ試乗会の場で開発関係者の皆さんに話を聞けば、ライバルとなるトヨタ自動車「アルファード」を明確なベンチマークと定め、各パラメーターでライバルを打ち破る性能を目指して開発したのだという。その項目ごとに比べてみると、両車の特徴が見えてくるはずだ。まずはサイズから。
新型エルグランドと現行型アルファードの写真を一気に見る
両モデルのサイズの変遷を振り返る
大型ミニバンというジャンル自体を切り拓いたエルグランドと、今や市場を席巻するアルファード。両モデルのサイズの違いを過去にさかのぼって振り返ってみる。
1997年に登場した初代エルグランド(E50型)は、それまでにない立派なフロントマスクと豪華な内装、さらにはFR(フロントエンジン、リア駆動)ベースの力強い走りが相まって、「キング・オブ・ミニバン」と呼ばれる大ヒット作となった。ボディサイズは全長4,740mm、全幅1,775mm、全高1,940mm(ホイールベース2,900mm)。全幅が1.8mを超えないところなどを現代の目で見ると、比較的スリムな体躯だったのかもしれない。
2002年には2代目のE51型が登場。4,835mm×1,795mm×1,910mm(ホイールベース2,950mm)のボディにV型6気筒3.5Lエンジンを搭載して強力な走りをアピールしたが、同時期に登場した初代アルファード(10系)は4,800mm×1,805mm×1,935mm(ホイールベース2,900mm)のFF(フロントエンジン、フロント駆動)レイアウトを採用し、エルグランドより床が低く室内が広いボディとなったことをアピール。これが功を奏して次第にシェアを獲得していった。
2008年にアルファードは20系へと進化し、スポーティーな兄弟車「ヴェルファイア」を加えてビジネスから若者まで広い顧客を得ることに成功。4,850mm×1,830mm×1,890mm(ホイールベース2,915mm)と全幅が広がり、安定感が増した。
2010年に登場した3代目エルグランド(E52型)は、アルファードに対抗すべくFFプラットフォームとし、4,915mm×1,850mm×1,815mm(ホイールベース3,000mm)の低床、低重心ボディで登場。全高をあえて100mm以上も下げたワイド&ロープロポーションとミニバンらしからぬスポーティーな走りを実現していたが、「広くて豪華」といった路線ではなかったことで、販売はなかなか好転しなかった。
2015年の3代目アルファード(30系)は4,945mm×1,850mm×1,935mm(ホイールベース3,000mm)の「大空間高級サルーン」をテーマとしたボディで登場。サイズは日本の道で使用するほぼ限界ともいえる大きさになり、「エグゼクティブラウンジ」グレードがもたらす劇的に向上した乗り心地が政治家や芸能人、企業のVIPの送迎車としてもてはやされ、いわゆる“定番”モデルとして市場を独占した。
2023年にアルファードは4代目40系に進化し、4,995mm×1,850mm×1,935mm(ホイールベース3,000mm)のTNGAプラットフォーム(GA-K)で開発。これまで以上にボディ剛性がアップし、振動や騒音を徹底排除して、世界の高級車としての地位を盤石なものとした。
こうしてボディサイズの歴史を見てくると、エルグランドが全高を下げて走りにこだわったのに対し、アルファードは背の高い広い室内とわかりやすい高級感を追求したことで勢力図が一変したことがよくわかる。
新型エルグランドではこの反省をいかして、全長4,995mm(現行+30mm)、全幅1,895mm(+45mm)、全高1,975mm(+160mm)の大型ボディで登場する。長さはアルファードと同じ、幅と高さはそれを上回るサイズ感をユーザーはどう判断するのだろうか。
















