日産自動車が電気自動車「リーフ」(LEAF)の新型(3世代目)を発売する。デザインの変更点としては、どちらかといえば実用的な雰囲気だった従来のハッチバック車から、スタイリッシュなクロスオーバー車に華麗なる転身を遂げている。
後ろ姿に日産初の技術が!
日産の電気自動車(EV)「リーフ」がフルモデルチェンジして3世代目となる。市場導入は2025年秋の北米から始まり、日本では年内に発売の予定だ。
新型リーフの特徴は以下の3点だ。
1.外観の変更。これまではハッチバック車、新型はクーペのようなファストバックのクロスオーバー車になる。
2.一充電走行距離が伸びる。北米のEPA基準で303マイル、日本のWLTCモードで600km以上になる。
3.EVのある生活の快適さを実感させる先進技術の搭載。
外観の違いを一目で実感させるのは、前から見た顔つきだろう。現行の2代目は、EVといえども車体色と別の黒っぽいラジエターグリルがあったが、3代目は初代と同じように車体と同じ色の顔つきになった。
日産は「Vモーション」と呼ぶフロントマスクのデザインを横展開することでラインアップに顔つきの統一感を持たせてきた。新型リーフでもVモーションを採用しているが、ヘッドライトを外側に寄せることで車体を幅広く見せている。
次に注目すべきは側面の姿だ。
現行の2代目のリーフも、初代に比べると屋根が車体後半に向かって徐々に下がっていくシルエットにはなっているが、それでもリアゲートのあるハッチバック車という位置づけだ。それに対して新型リーフは、クーペのように屋根がより斜めに下がっていく。空気の流れを乱しにくい形状だ。
ボディサイズは日本仕様の数値で全長4,360mm、全幅1,810mm、全高1,550mm。全長はやや短く、車幅はやや広く、車高はやや高くなるが、現行の2代目リーフとほぼ同様なサイズ感だ。新型リーフは背の高いSUV的なクルマというよりも、よりスポーティーな装いのクロスオーバー車ということになるのだろう。外装色は8色(モノトーン5色/ツートーン3色)、内装色には3つの選択肢がある。
後ろ姿には、ちょっとした遊び心がある。ホログラフィックを活用した立体的なコンビネーションランプを採用しているのだ。造形は横方向に2本、縦方向に3本の組み合わせで、2と3、すなわち「ニッサン」を表している。この表現はアルミホイールや室内の各所にも使っている。
全体的な造形で空気抵抗の低減を狙ったという新型リーフ。空気抵抗係数(Cd値)は日米仕様で0.26、欧州仕様で0.25だ。日米と欧州の差は、標準タイヤの寸法違い(欧州の方が細い)が主な要因であるという。空気抵抗を減らす造形は、一充電走行距離の確保につながる。
リーフもGoogle搭載車に - 内装はすっきりした印象
インフォテインメントはGoogleのシステムを採用。ナビゲーションの地図はGoogleマップとなる。Google Play ストア経由で外部のアプリケーションをインストールすることも可能だ。
画面は12.3インチまたは14.3インチを横に並べた構成のデュアルスクリーン。ハンドルの前の画面が、クルマの情報を見せるメーターの役割を果たす。表示は最大で5種類から選べる。
シフト操作はミニバンの「セレナ」から採用が始まったスイッチ式になり、シフトレバーはない。これにより、前席の足元や運転席回りが広くなり、解放感が増す。
解放感という点では、天井のガラスルーフに調光式を採用した。サンシェードの代わりにガラスの透明度を変えて車内に入る光量を調節する仕組みだ。物理的なサンシェードがないため、頭上の空間をさまたげないという利点がある。かつ、光の反射で熱を伝えないヒートリフレクションを用いることで、室内の空調の省電力化にもつなげている。
新型リーフはクロスオーバー車になるとともに、内外装の質感向上や装備の充実より、これまでよりも上級なクルマに進化しているようだ。