キッチンの排水トラップのタイプ
まずは、キッチンにどのような排水トラップがあるのかを見ていきます。
排水トラップとは?
排水トラップとは、害虫や悪臭を排水管から屋内に入れないために、排水管または排水口の一部を水で満たして封じる構造や器具のことをいいます。
封じている水は、封水と呼ばれています。
キッチンによくある排水トラップ2種
キッチンのよくある排水トラップは、主に2タイプあります。
- ワントラップ(排水口に封水がある)
別称:深型・浅型排水トラップ - 管トラップ(排水管に封水がある)
別称:薄型排水トラップ、ステンレストラップ(一部の製品のみ)
それぞれの排水トラップがどのようなものかをみていきます。
ワントラップ
ワントラップとは、排水口にお椀の形をしたパーツを乗せて、「排水口で封水」する排水トラップ。
排水口に深いゴミ受けがあるものは、深型排水トラップ。浅いゴミ受けがあるものは、浅型排水トラップとも呼ばれています。
管トラップ
管トラップとは、排水口から離れた場所にある排水管をカーブさせて、「排水管で封水」する排水トラップです。
配管が床下につながるものは、排水トラップがS字型になるので、Sトラップ。
横壁につながるものは、排水トラップがP字型になるので、Pトラップとも呼ばれています。
どちらも排水トラップ自体は全く同じもので、配管が違うだけです。
排水口が薄いので薄型排水トラップ、ステンレスが一部使われているものはステンレストラップとも呼ばれています。
ショップではこのような呼ばれ方や単にキッチン・台所の排水トラップといった呼ばれ方が一般的です。
少し前までは、キッチンの排水トラップはゴミ受けが深い深型のワントラップがあたり前でした。
それにゴミ受けが浅い浅型ワントラップのバリエーションが見られるようになって、最近では薄型ステンレス製と称する排水トラップの人気が出てきています。
その他の排水トラップについてはこちらの記事でもご紹介していますので参考にしてみてください。
キッチン排水トラップはステンレス製薄型がいい理由
そこで、従来の「深型・浅型排水トラップ(ワントラップ)」と「薄型排水トラップ(管トラップ)」 がどう違うのかを、比較してみました。
結論から言うと、薄型排水トラップ(管トラップ)の方がおすすめです。
また、素材はステンレスを多く使った製品がおすすめです。
【掃除工程】掃除が簡単
深型・浅型排水トラップ(ワントラップ)は、排水口とワントラップが同じ場所にあるのに対し、薄型排水トラップ(管トラップ)は、排水口とは別の場所に排水トラップがあります。
排水口に排水トラップがないことで、排水口の掃除がしやすい上、汚れがたまりにくいので掃除頻度が少なくて済むのです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
【キッチン】深型・浅型排水トラップ(ワントラップ)
キッチンの従来のワントラップの排水口には、次のものがあります。
- 蓋
- ゴミ受け
- ワントラップ
- 排水口(本体)とそれに突き出る円筒
これを全て掃除する必要があります。
排水口は深く、しかも凹凸があるので、掃除がしにくいです。
ワントラップ もプラスチックのものが多く、ぬめりがつきやすいです。
ただし、蓋やゴミ受けは、丈夫でぬめりが付きにくいステンレス製のものが増えています。
【キッチン】薄型排水トラップ(管トラップ)
キッチンにある薄型排水トラップの排水口は、次のような構成の製品が多いです。
- 蓋
- ゴミ受け
- 排水口
- 管トラップ
排水口から離れた場所にある排水管に、管トラップが付いています。
こう見るとパーツの数は多いですが、排水口の掃除は蓋、ゴミ受け、排水口本体のみでワントラップがない分の掃除が減ります。
それに薄型なので、手が届きやすく、掃除をする面積が狭く、凹凸もなし。
毎日キッチンを使うたびに、掃除が簡単にできるようになっています。
薄型トラップはあまり掃除をしなくても、ワントラップに比べて綺麗です。
排水トラップ本体の排水管は、月に数回50度弱のお湯を流すだけの掃除でOK。
排水トラップ自体を直接掃除したい場合は、付いている掃除口を開けて汚れの混ざった封水を下にバケツを置いて受けるだけでもかなり綺麗になります。
更に50度弱のお湯を流せば、もっと綺麗になります。
ワントラップより掃除が簡単で、掃除をする面積もかなり狭いのは確かです。
また、劣化しにくく、ぬめりが付きにくい特性のあるステンレスの部分が多ければ多いほど、掃除が簡単になります。
【キッチン流し台下のスペース】収納スペースは広々
深型・浅型排水トラップ(ワントラップ)は、シンク下の収納スペースがあまりないのに対し、薄型排水トラップ(管トラップ)は、収納スペースがたっぷり確保できます。
収納スペースの広さの違いについて、詳しく見ていきましょう。
【キッチン】深型・浅型排水トラップ(ワントラップ)
キッチンにある深型・浅型排水口のワントラップは、シンクの下を見ると排水口直下に割と大きめのトラップと下に伸びる配管があるものがほとんどです。
浅型は深型よりはいい方ですが、どちらも場所がとられて、あまりものは置けません。
ゴミ受けは以前は深いものばかりでしたが、最近では浅いものも増えてきています。
そのおかげで、排水トラップが浅型になっています。
ですが、それでも薄型排水口の管トラップよりもワントラップの方がスペースを占有。
多少浅くはなったとしても、ワントラップがキッチン下のスペースを取っていることは確かです。
【キッチン】薄型排水トラップ(管トラップ)
キッチンにある薄型排水口の管トラップのデザインは、かなりスッキリしています。
管トラップの部分が奥になるように付いているものもあります。
排水口はワントラップや大きなゴミ受けがない分、薄く平たい形状です。
その分、流し台の下にモノを置くための空間もたっぷり。
スペースをできるだけ確保するような設計になっています。
「ステンレス製」の製品かを確認する方法
薄型排水口のトラップの宣伝文を見ると「ステンレス製」と記しているものと、いないものがありますので、メーカーに直接問い合わせて見るのが良いでしょう。
薄型排水口の管トラップ製品の蓋、ゴミ受けはステンレス製。
しかし、排水口本体はプラスチック製という製品もあるようです。
Amazonや楽天などで販売しているほとんどの排水トラップ製品について、メーカーの公式サイトも含めて画像・説明書・設計図までチェックして部品の材質を調べてみましたが、いずれの製品も、どの部品がステンレス製なのか、はっきりと明記されていません。
画像を見ても、光の具合でプラスチックにもステンレスにも見えるものもあります。
ですので、どこまでが「ステンレス製」なのかを気にする場合は、メーカーに直接問い合わせをして確認するといいでしょう。
キッチン排水トラップ薄型の製品例(ステンレス製含む)
キッチン排水トラップの標準的サイズは、次の通りです。
- 一般家庭・ユニット:外径180mm
- ワンルーム:外径115mm
- 業務用:外径186mm(標準)・外径115mm(小型)
この他のサイズもありますが、数が少なかったり、廃盤になっていたりします。
既製品で薄型排水トラップ(管トラップ)が確認できたのは、上記3サイズのみ。
ここでは、家庭用キッチンに多い外径115mm、180mmの製品例を掲載しています。
紹介しているもの以外にも、製品はあります。
あくまでもサイズやデザインの事例として見るに留めて、サイズやどのパーツがステンレスなのかをチェックしながら、欲しいと思う製品がみつかるまで探してみてくださいね。
外径115mm
カクダイ 流し台薄型トラップ 453-013
SANEI 流し台薄型トラップ H65630S
外径180mm
カクダイ 流し台薄型トラップ 4526
SANEI ステンレス排水口トラップ H65610S
ダイドレ ステンレス排水トラップセット DT-M-1
KVK ステンレストラップセット ZY50N
まとめ
以上、キッチンの排水トラップについて、薄型排水トラップ(管トラップ)と従来の深型・浅型排水トラップ(ワントラップ)を比較して、薄型のステンレス製を含めた製品例を紹介しました。
キッチンの排水トラップの交換の仕方を別記事で解説しています。
興味があれば、ぜひ読んでみてくださいね。
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※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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