Appleの開発者会議WWDC(Worldwide Developers Conference)が米国時間9日に米カリフォルニア州サンフランシスコで始まった。今年は「Mac」「iPhone」「IT」の3カテゴリでセッションが用意されている。当然、オープニングとなるSteve Jobs氏の基調講演にも3本柱が反映されると思われた。ところが、Mac OS Xの次期メジャーバージョンとなるMac OS X Snow Leopardは開発者向けのセッションで説明されたのみ。基調講演は「iPhone 2.0」で始まり、「MobileMe」を経て、「iPhone 3G」で終わってしまった。iPhone一色。同社がいかにiPhoneプラットフォームに注力しているかが伝わってくる基調講演だった。

WWDC 2008オープニング基調講演でのSteve Jobs氏

今回の基調講演では「One more thing...」が登場しなかった。サプライズなしでも「iPhone 3G」で観衆を満足させられるという自信があったのだろう。

初代iPhoneが米国で発売されたのが2007年の6月29日だ。この1年弱の間に、販売地域は6カ国に増え、累計販売台数は600万台を突破した。ユーザーのアンケート調査の満足度は90%と高い。またWebブラウジング利用者が98%、メールが94%、テキストメッセージが90%となっているという。iPhone登場以前、米国の一般携帯ユーザーの利用目的が音声とテキストメッセージに偏っていたことを考えると、iPhoneがいかに携帯利用を変えたかが分かる。このiPhoneの次なるチャレンジとして、Jobs氏は5つのポイントを挙げた。

発売から間もなく1年が経過する「iPhone」

ユーザーの満足度は90%。ネット端末機能の高い利用率が特徴