私たちの生活にいまやネットは欠かせないもの。スマホやパソコンを使って、ネットショッピングをしたり動画を見たりと、当たり前のようですがよく考えると便利な暮らしを送っています。

総務省による「令和3年通信利用動向調査の結果」から「主な情報通信機器の保有状況(世帯)」を見ると、インターネット利用者の割合は13歳~59歳の各年齢階層で9割を超えています。また、60代は84.4%、70代は59.4%、80歳以上は27.6%と、60代以上の年代も令和2年と比べて上がっています。

  • インターネットを活用しているシニア層が増えており、生きがいにもつながっています

ネット利用が増加しているのであれば、SNSの利用も増加しているのでは? そう考えて、上記調査の「SNSの利用動向(個人)」を見てみたところ、60代では71.7%、70代は60.7%、80歳以上は47.4%といったように、いずれも増加していました。なかでも、60代、70代は2021年より大きく増えています。

  • SNSの利用動向(個人)(出典:総務省)

この調査におけるSNSは「Facebook、Twitter、LINE、mixi、Instagram、Skypeなどを指す」なので、投稿がメインとなる一般的なSNSよりも、メッセージを使った交流のほうが大きいかと思います。

コロナ禍でオンラインでの交流が重視されたため、思い切って始めた方々も多いでしょう。離れた場所に住む家族が積極的にスマホを持たる、SNSを使うようにすすめたといったケースも多そうです。

そして別の調査では、情報機器を使っているシニアのほうが使っていない人よりも生きがいを感じているという結果が出ています。

内閣府が2022年6月14日に公表した「令和4年版高齢社会白書」では、「パソコンの電子メールで家族・友人などと連絡をとる」「インターネットで情報を集めたり、ショッピングをする」「SNS(Facebook、Twitter、LINE、Instagram など)を利用する」と答えた人が「生きがいを十分感じている」割合は、いずれも30%を超えています。「情報機器を使わない」と答えた人では10.3%だったため、情報機器を使うことが豊かな生活を送ることに役立っていると考えられます。

  • 「生きがいを感じる程度について(情報機器の利用内容別)」(出典:内閣府)

ネット達人のシニアたち

情報機器を使いこなすシニアといえば、「世界最高齢のアプリ開発者」と呼ばれる若宮正子さんが有名ですね。iOS版ゲームアプリを開発して、81歳のときにAppleが毎年開催している開発者イベントに招かれたことで一躍有名となりました。87歳の今でも、ITエバンジェリストとして活躍しています。

また、「ツイッターおばあちゃん」として有名なミゾイキクコさんは、1934年生まれの88歳。10.7万以上のフォロワーを持つ人気者です。ツイートは日々の食事や自分の思いを投稿していて、フォロワーとの会話も多く見られます。

人気のシニアYouTuberも。柴崎春通さんは、チャンネル登録者数141万人を超える「Watercolor by Shibasaki」を運営しています。1947年生まれの柴崎さんは水彩画講師で、動画では水彩画を描くテクニックやコツを紹介しています。そして、このチャンネルの特徴は英語のコメントの多さ。世界中から感謝の声が書き込まれています。

このお三方のように注目されることはまれだとは思いますが、普通の人でも日常をツイートしたり、VlogとしてYouTubeを配信したりすることで新たな生きがいが生まれるかもしれません。

そしてSNSだけでなく、私はシニアにこそネットショッピングを活用してほしいと思っています。ネットを介したお金のやり取りは怖いと感じるかもしれませんが、安全なショッピングサイトを利用すれば、家にいながらにして商品を受け取れます。真夏の暑い時期でも買い物に出かけずにドリンク類を購入できますし、ネットスーパーを使えば日々の食料品もまかなえます。帰省する機会などに、お話してみてくださいね。