皆さんは「TWICE」という女子アイドルグループをご存じでしょうか。2017年、2018年と2年連続でNHK紅白歌合戦に出場しているので、見かけたことがあるかもしれませんね。韓国で結成されたTWICEは、韓国人、日本人、中国人の9人の女性で構成されています。かわいらしいルックスとダンスや歌で、中高生に大人気。女子たちは「私もTWICEみたいにかわいくなりたい!」という憧れからファンになっている人が多いようです。

人気がある韓国アイドルはTWICEだけではありません。マイナビティーンズラボが2018年11月に発表した「【2018版】10代女子が選ぶトレンドランキング」の「流行ったヒト」には、「BTS(韓国のヒップホップアイドルグループ)」が6位、「BLACKPINK(韓国の女性アイドルグループ)」が9位にランクインしています。

  • 鈴木朋子のお父さんが知らない女子SNSの世界

    若者のブームはうつろいやすいもの……

そう、若い世代には数年前から「第3次韓流ブーム」が起きているのです。韓流ブームといえば、「ヨン様」や「冬のソナタ」に代表される第1次韓流ブーム、「少女時代」や「東方神起」などK-POPアイドルによる第2次韓流ブームがありました。そして今は、ファッション、グルメ、音楽の3本柱で構成される韓流ブームが来ています。

今の女子たちは、ファッション情報をInstagramで得ています。試しにInstagramを検索してみたところ、執筆時点で「#韓国ファッション」は180万件の投稿がヒットしました。投稿を見てみると、赤い口紅が印象的な「オルチャンメイク」の女性が多く見られます。オルチャンメイクとは、「オルグル(=顔)」に「チャン(=最高)」を組み合わせた「オルチャン」がしているメイクです。街で見かける女子高生が妙に赤いリップを使っているのは、この韓流ブームの影響なのです。このハッシュタグには、韓国アイドル風のファッションに身を固めてポーズを決めている男子もいます。男女とも、韓国ファッションに惹かれているのですね。

  • 鈴木朋子のお父さんが知らない女子SNSの世界

    Instagramには韓国関連のハッシュタグがたくさん

インスタ映えするコスメやグルメが人気

そして今も昔も若者が集まる場所「原宿」には、彼女たちが好きなコスメショップが並びます。「STYLENANDA(スタイルナンダ)」という韓国の衣料品ブランドが販売する化粧品「3CE(スリーシーイー)」のショップには、インスタ映えするフォトスポットが。女子たちはここで撮影の順番待ちに並んでいます。そして向かいには、同じく韓国コスメの「ETUDE HOUSE(エチュードハウス)」の店舗も。これらのコスメはキュートなデザインで、しかも比較的購入しやすい価格なので中高生でも手に入ります。女子たちは鏡台やかわいい布の上にコスメを並べて、Instagramにアップしてるんですよ。

  • 鈴木朋子のお父さんが知らない女子SNSの世界

    「3CE」のフォトスポットは女子たちが行列しています

先ほどのランキングをもう一度見てみましょう。「3CE」は「流行ったモノ」ランキングの6位に入っています。そして「流行ったモノ」ランキングには他にも韓国発の商品が入っています。5位の「チーズドッグ」、9位の「韓国ミニ扇風機」です。チーズドッグは韓国式ホットドッグで、棒状の揚げパンにチーズがたっぷり入っているスナックです。かぶりつくとチーズが伸び、商品によってはチーズが七色に色づいています。イマドキは画像でなく動画を投稿するため、動きのある食品は人気に火が付きやすいのです。

飽きやすい彼女たちはすでに「タピオカミルクティー」へと興味が移りつつあるようですが、新大久保などでは美味しそうに食べている姿を見かけます。ちなみに、「韓国ミニ扇風機」はハンディタイプの扇風機です。パステルカラーやうさぎの耳が付いているかわいいデザインが人気です。

「この子、韓国人みたいでかわいいでしょ?」とは、ある女子高生の弁。写真を見ながら話したときのことですが、私の若いころにはなかった形容詞なので印象的でした。同じアジア人で真似しやすく、でも海外のミステリアスな部分も持ち合わせている韓国への人気は、まだ続きそうです。

著者プロフィール
鈴木朋子

鈴木朋子

ITライター・スマホ安全アドバイザー。SNSやスマホなど、身近なITに関する記事を執筆。10代のスマホカルチャーに詳しく、女子高生とプリクラにも出かける。趣味はへんてこかわいいiPhoneケース集め。著書は「親子で学ぶスマホとネットを安心に使う本」(技術評論社)など20冊を超える。